独自開発のデメリット
しかし、自社ニーズにあった「理想のアフィリエイトシステム」が構築できる反面、デメリットもあります。
デメリットとしてまず挙げられるのが、アフィリエイトサイトの勧誘です。一社単独での勧誘には限度があります。そもそも、自社がアフィリエイト・プログラムを実施していることを知ってもらうのが大変であり、自社サイトを頻繁に訪れる既存顧客はともかく、そうでないサイト運営者かつ熱心にアフィリエイトに取り組んでいる人に対してアプローチしてゆく効果的な方法はなかなか無いものです。
次にコミッション最低支払金額の問題です。知名度があって「ここと提携すればある程度の金額のコミッションにはなりそうだ」と思ってもらえる場合をのぞくと、独自運営は嫌がられる傾向があります。その最大の理由は、コミッションの最低支払金額の問題です。先に説明したとおり、ASP利用の場合、提携しているECサイトからのコミッション合計が一定額以上になれば支払いが行われ、それに満たない場合には翌月に繰越となります。しかし、独自展開プログラムの場合には、その企業一社分のコミッションが最低支払金額に達しないと受け取ることはできず、いつまでも支払留保となってしまうことも十分あります。これはアフィリエイトサイトにとっては「リスク」として映るわけです。
また、管理画面も、メインで利用しているASPとは別になり、リンク作成時やレポート確認時など、いちいち各ECサイト毎にログインしなくてはいけなくなります。そこまでの手間をかけて提携したい相手かどうか?と躊躇されてしまうことが多いでしょうし、また提携してもらったとしても、いちいちASPとは別の管理画面にログインして作業するのが億劫になってしまうという人もでてくるでしょう。そして、開発のためのコストと時間も大きな問題です。アフィリエイトの運用経験がほとんどない段階でシステム設計を行えば、自社にとっても提携先にとっても、使い勝手のよくないシステムに仕上がってしまう危険性もあります。
最後にトラブルへの対処の問題です。中立な立場である「第三者」が存在しないので、成果トラッキングについてのトラブルなどが起こった場合、当事者間で解決策を探らないといけなくなる場合も考えられます。トラッキングシステムが、サーバトラブル等で稼動しないまま長時間が経過してしまったといった事故があれば、アフィリエイトサイトから補填を請求される可能性も十分考えられます。見落とされがちなところではありますが、事前の規約作りであったり、トラブルに発展した際の対処ルールなども用意しておかないといけません。

このように、独自にアフィリエイトを開発する場合にもメリット、デメリットは存在します。それぞれをよく吟味して選択することが大切です。
