Z世代に選ばれる企業/選ばれない企業の違い
★こちらの記事は先に公開した前編の続きです。
──今回の進行を務める、COLLECTIVE CONNECTのひろもりです。前編からりそなホールディングスさんのサステナビリティ推進を軸にZ世代の方々とディスカッションをしています。
鼎談に参加したZ世代の皆さん
- 服部真周さん:大分県で高校生団体「CleanAte(クリーンエイト)」で環境問題やSDGsの達成に向けて活動
- 日野原楓さん:大学生。環境問題を大学に広める活動を行うほか、ジェンダー問題に取り組む学生団体に所属
- 高橋拓矢さん:現在社会人で、学生時代に環境保護活動に参加。いまも環境保護には関心があるため今回参加
- 瀧康司さん:2023年4月から社会人。大学時代は農学部で、環境問題に関して様々なことを学ぶ。また学生時代からLGBT分野の団体を運営しており、その活動は現在も継続中
- 江藤洋翔さん:高校生の学生団体「Youth of Japan」の代表。同団体では社会的な活動をしたい高校生や大学生に向け、様々な学生団体や活動などを紹介している
──前編では、瀧さんが「イメージ先行でSDGsやLGBT支援をアピールする企業が苦手」というお話をされました。りそなホールディングスさんも、サステナビリティ実現に向けて銀行に求められる役割を果たすと共に、若い方々からの関心を高めたいという想いがあるとお話されています。そこで瀧さんに伺いますが、どのような企業なら逆に応援したくなりますか?
瀧:やはりその企業が何をしているかが見えて、「その結果こんな世の中になります、そこでこんな役割を果たします」という将来までしっかり描けている企業さんだと良いなと感じます。いまSDGsアピールをしている企業のなかには、「社会的に環境問題に取り組まないといけないから、うちも」という焦りが見えるところもあって、それに違和感があります。
──なるほど。服部さんはいかがですか?
服部:いまの瀧さんのご意見に全面的に同意します。ただ私の場合、共感できるかどうかという点でいえば、ちゃんと行動しているかどうかがポイントになります。
前編では、私が活動している高校生団体「CleanAte(クリーンエイト)」で企業の協賛を募っているとお話ししました。ゴミ拾い自体は、自分一人でやれば軍手とゴミ袋くらいで、あまり実費はかかりません。ただしそれを何回、何十回繰り返し、何人、何十人と増やしていけば、行動したリターンは大きくなりますし、その分コストもかかります。その何回、何十回、何十人という実績を積めば、企業はその行動を評価して協賛していただけるようになります。口だけではなく、行動しているという点が重要です。
年代性別問わず誰もが知っている大企業さんが関与すると、認知度も広がりますし、それによって個人のアクションが促される効果が期待できます。
学生の就活に企業のSDGs活動は影響するか?
──高橋さんは、就職活動時にどんな点から就職先を選びましたか?
高橋:現在の勤務先が一番ですが、就活中に良いなと思った企業の共通点としては「より良い未来に向けて挑戦してみよう」というカルチャーがあったことです。
就活中は、持続可能性が高い社会、さらに発展する社会を実現できる企業に入りたいと思っていました。いまは化学メーカーの研究員をしていますが、できるだけ環境に対するデメリットを減らしつつ暮らしを豊かにできるような取り組みをしている企業かどうかを見ていました。
今年は卒業生として後輩の就職活動支援もしましたが、企業の環境問題やジェンダーへの取り組みも就活の企業評価ポイントに入っていると聞き、そういう学生が増えていると感じています。
日野原:私も現在就活中なので、企業のWebサイトでその点もしっかり見ています。「書いてあるだけではダメだ」という意見もありますが、そもそも書いていないとこちら側ではわからないので、企業さんもまずはWebサイトやSNSで情報発信をしっかりしておくことが大切だと思います。
──企業のSDGsの取り組みについて、「見えているところ」はもちろんですがその実態に関しても「どれだけ透明性が高いか」が大切なんですね。
高橋:はい、その通りです。就活ではまずホームページにエントリーしてその後説明会に行き、面接を受けるといった段階がありますが、そこで情報を深めていくうちに、「ホームページに書いてあったけど説明会では一言も触れられないな」など、なんとなく実態が想像できてしまうケースもあります。情報が入りやすいからこそ、本当はどうかなと思う企業もありました。
服部:大学の説明会も同じかもしれませんね。今度説明会に行くのですが、大学でもSDGsや環境問題に真剣に取り組んでいる学校があるので、具体的にどんな活動を展開しているのか聞いてみたいと思っています。