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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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今こそ知るべき、音声マーケティングの世界 ~耳から顧客に訴求する“第5のデジタル広告”~

コンテンツの多様化から急成長する「音声メディア」。そのマーケティング活用を探る

音声コンテンツへの接触機会が拡大した背景とは?

 企業の音声活用が広がりはじめている背景には、「デバイスの進化」「コンテンツの民主化&多様化」という、2つの要因が挙げられます。これらにより生活者が音声コンテンツに触れる機会が増え、音声メディアの価値が引き上げられているのです。

 まず1つ目「デバイスの進化」について。近年音声コンテンツが注目を集めている世界共通の理由に、音声を聴取するためのデバイスの普及があります。スマートフォンの広告市場がiPhoneの浸透で生まれ拡大したように、音声コンテンツもデバイスの普及によって成長機運が高まっています。

 具体的には、Appleが2016年に販売した「AirPods」に代表されるワイヤレスイヤホンは、生活時間の中で人々がより手軽に音声コンテンツに触れることを実現しました。コロナ禍では、オンラインワークを余儀なくされた方も多いかと思います。その際に仕事の打ち合わせや友人との電話、ちょっとした家事や買い出し、そして音楽・ラジオで休憩……といったように、長い時間ずっとイヤホンをつけ続けたままシームレスに生活と業務の時間を過ごした経験がある方もいるのではないでしょうか。

 ワイヤレスイヤホンは、アプリケーションなどと連携しながら身につけて使用できるコンピューター「ウェアラブル端末」をhear(聴く)とかけて、「ヒアラブルデバイス」とも呼ばれています。ノイズキャンセリングによる外部音の遮断や、アプリケーションと連携してリアルタイムな音声翻訳を実現するなど、人の聴覚機能をテクノロジーで拡張する役割を持っている点もポイントです。

 また2014年から2018年頃にかけて、「Amazon Echo」「Google Home」に代表されるスマートスピーカーが登場。家庭内のリビングや寝室で手の操作を行わず、声だけで音声情報に触れることができるようになりました。Amazonは実際にこのAmazon Echoの体験を「アンビエント(環境)コンピューティング」と位置づけており、スマートスピーカーというハードウェアを通じて、部屋の環境とコンピューター操作の境目がない体験を目指しています。

身近になったインターネットラジオ

 2つ目の要因「コンテンツの民主化&多様化」が進んでいることも重要です。個人や企業が手軽に音声コンテンツを配信することができるようになり、世界的に音声コンテンツの多様化が進んでいます。

 米国におけるポッドキャストの2022年の広告市場は18億ドル(約2,400億円)でした。この数字を示すIABの調査レポートには、ポッドキャスト広告成長の背景に「コンテンツの多様化」「ニッチな興味分野を求めるリスナーの利用時間の増加」が示されています。

 ポッドキャストは、Apple Podcastのみならず音楽配信サービスのSpotifyやAmazon Music、そしてGoogle PodcastsやYouTubeなど、様々なプラットフォームへの音声コンテンツ配信が手軽に行えるようになり、メディアとしての価値が向上しています。国内においてはVoicyやRadiotalk、stand.fmのような独立型の音声配信アプリ・プラットフォームの登場により、簡単にインターネットラジオを始めることができます。

 このように音声配信の敷居が下がり、誰もが様々なプラットフォームで音声配信が行えるようになったことが、現在の音声メディアの成長を後押ししています。

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音声をマーケティングに活用する2つの手法

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この記事の著者

八木 太亮(ヤギ タイスケ)

株式会社オトナル代表取締役。2013年にウェブメディアを運営する株式会社オトナルを創業。音声広告プランニングから媒体開発まで手掛ける“音声広告カンパニー”として、デジタル音声広告と音声コンテンツのマーケティング活用を支援している。ラジオ局や新聞社、出版社などの大手メディア向けに音声配信のテクノロジー提供をサポートを行っているほか、音声配信者向けに国内ポッドキャストのランキングポータルサイト「ポッドキャストランキング」を運営。

著書:『いちばんやさしい音声配信ビジネスの教本 人気講師が教える新しいメディアの基礎(インプレス)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/09/25 09:00 https://markezine.jp/article/detail/43189

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