【STEP2】顧客定義:コア顧客・戦略顧客について仮説精度を高める
STEP2では、ステップ1で洗い出した顧客層のうち、最優先する「コア顧客」と次に優先する顧客群「戦略顧客」を、それぞれ複数(3~4つ)挙げます。それぞれの顧客が、どんな顕在課題・潜在課題を持っているか、それに対してどのような価値提供ができるかを挙げてみましょう。
コア顧客や戦略顧客になり得るかを評価する時は、以下のような観点から5段階くらいで評価をします。
1.現状の売上構成比率は?(5:売上構成大きい⇆1:構成小さい)
2.マーケットの大きさは?(5:成長している⇆1:成長していない)
3.マーケットの成長率は?(5:成長している⇆1:成長していない)
4.マーケットとのフィットは?(5:フィットしている⇆1:フィットしていない)
5.マーケットの競合環境は?(5:競合少ない⇆1:競合多い)
6.マーケット浸透への展開性は?(5:展開性がある⇆1:展開性がない)
これらの評価をもとに、最も狙うべきコア顧客を定義します。2~5は特に重要な項目です。
ただ、ここでは、単にポテンシャルが高い顧客層を見つけるのではなく、「他の顧客層にも商材が浸透していきやすいか?」という視点でも評価することが大切です。とりわけ、あらゆるリソースが限られるスタートアップにおいては、まさにこのコア顧客からの展開性が極めて重要になります。
コア顧客から戦略顧客への展開性が高いパターンはいくつかあります。
まずは、影響力のある顧客への浸透が進むことで認知が広がるパターン、権威性や認知度の高い顧客への浸透が進むことで信頼性が担保され展開性が高まるパターン。KOL・インフルエンサー施策や大企業事例創出はこうした展開性を促進する施策のひとつです。
また、コア顧客がプラットフォームやコミュニティに加わることで価値が増大し、展開性が高まるパターンもあります。ビジネスマッチングやカンファレンスなどの商材は、このパターンに当てはまる場合が多いと思います。
たとえば、スタートアップの商談獲得を支援する「営業代行商材」の場合を想定しましょう。この企業のアセットとして、スタートアップのCxOへのネットワークが一定形成されているとします。この場合、一例ですが、スタートアップ界隈で認知度が高く急成長を実現するメガスタートアップのCOOにフォーカスして一定期間無償で受注を獲得する。象徴的な事例を一定程度創出ができれば、メガスタートアップの事業成長を参考にするミドル、スモールスタートアップへの浸透が加速する、という仮説が立てられます。
そうして、コア顧客=メガスタートアップCOO、戦略顧客=ミドル・スモールスタートアップ営業責任者と設定できるのでは?という仮説を立てることができます。
STEP1、STEP2を通して、WHOを定義してきました。以降、STEP3からWHATの定義に入っていきます。