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生活者データバンク

テックネイティブなα世代の生活から見えてきた、SNSの使い方&ゲームの存在感

まとめ:α世代へのマーケティングで押さえておきたい3つのポイント

 α世代においては暮らしやココロにおけるゲームやゲーム機器の存在感や役割の大きさを確認してきました。また、インターネットで接続されたつながったゲームを通じて、「リアル」とは異なる「バーチャル」な空間にも身を置いて、様々な刺激を得ていることがわかります。以前、小学生を集めたインタビューを行った際、放課後の待ち合わせ場所が「ゲームの中」と答えた人が少なからずいたことに驚きを感じましたが、彼らにとっては「バーチャル(仮想空間)」もまた学校からつながるリアリティのある世界のようです。

 新型コロナウイルスの影響で2020年3月には一斉休校がありました。その後も感染者数の増減によって、休校や再開が繰り返され、授業のオンライン化も一気に加速しました。TECの導入において先進的な企業と同様にメタバースの授業にチャレンジした学校もニュースなどで取り上げられていましたね。「マインクラフト」や「あつまれ どうぶつの森(あつ森)」などのオンラインゲームを通じて、すでに「メタバース」を体験していた彼らにとって、バーチャル空間やメタバースは特別なものではなく、リアルとバーチャルはごく自然に溶け合っていて敷居を意識することのない世界なのかもしれません。

 α世代よりも上の世代との比較した今回の分析結果と彼らの今後の成長とを重ねてみると、次の扉はSNSにあることが容易に想像できます。LINEを皮切りにInstagramやTikTokと利用するSNSが広がっていく、さらには、同一のSNSサービス内でも自身の趣味や関心ごと、推しなどに呼応して複数のアカウントを使い分ける。さらにはよりリッチな体験を設けられたメタバースの世界を自由に歩き回る姿が目に浮かびます。自分の暮らす世界の実感を「リアリティ」という言葉で測るとするならば「リアル(現実空間)」も「バーチャル(仮想空間)」も同質なのかもしれません。

 さてここまでのお話からミライを少しだけ覗き見してみましょう。リアルとバーチャルという両方の世界を自由に行き来する彼らを念頭に置くとサービスやマーケティングの在り方もアップデートが期待されていることがわかります。

 インターネット上で展開されるバーチャルの良さは時間や場所に囚われることなく、好きなときに好きな場所からアクセス可能ということです。また、インターネット経由だからと言って、人のぬくもりや対応の質といったリアリティが欠損しているわけでもありません。彼らはそこにリアルな体験に負けないくらいの「リアリティ」を感じる感受性を備えているはずです。

 また、バーチャルに類する部分ですが、様々な知識を書籍や文字ではなく「動画」によって吸収したいという習性も強いことから、様々な商品・サービスの認知獲得や理解浸透にはわかりやすい動画の準備が必須になるでしょう。失敗したくない彼らは事前に様々な情報を収集して、時間やお金を投資するモノ・コト・トキを吟味していますが、その際にオフィシャルであれインフルエンサーであれ、解説動画は重要な役割を担っています。もちろん倍速、3倍速の視聴も前提にしつつ、見てもらえる動画作りは重要なポイントになるでしょう。

【テックネイティブな「α世代」へのマーケティングのヒント】

1)時間や場所からの解放
⇒時間や場所に縛られることなくサービスを享受する。お客様は全国さらにはグローバルを視野に

2)バーチャルだからと妥協しない。むしろ作りこみに共感して没入する
⇒バーチャルな世界にもリアリティや温度感を感じている。人のぬくもりや人格、対応力などの磨き込みによって差を生み出せる

3)事前に仮想空間でシミュレーションや学習を終えて、より上手な体験を求めている
⇒事前に触れあえる機会をバーチャル環境で提供するとともに、ネガティブスクリーニング(期待外れ)を超えるリッチな体験をデザイン・提供する

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この記事の著者

田中 宏昌(タナカ ヒロマサ)

株式会社インテージ 生活者研究センター

1992年 電通リサーチ(株式会社電通の100%グループ会社 当時)に入社。1994年より電通の大規模生活者データベースの立ち上げメンバーとして参画。以後、2012年まで消費者研究センターや電通総研などの横断機能組織に駐在勤務する形で、広告コミュニケーションプランニングや...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/09/07 09:30 https://markezine.jp/article/detail/43292

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