新たな消費行動“循環型消費”
今回の調査結果と実際の利用者の事例を踏まえて前川氏は次のように語った。
「新しいものを購入するという行動と、使わなくなった自分の持ち物を売ることが一つの消費行動としてつながり、循環型消費という新しい形の消費行動が生まれていると考えています」(前川氏)
そして、この循環型消費を促進するために、「メルカリ」では今後、UXのアップデートやウェブ版の強化。加えて、越境EC事業者との連携により、海外からも「メルカリ」の商品が購入できるようにチャネルの拡大も予定しているという。

持ち物を可視化できるプラットフォームを目指す
次に、慶應義塾大学の山本氏とメルカリの前川氏に加えて、同社で執行役員CBO Marketplace兼CEO Fintechを務める山本真人氏が登壇し、調査結果についてのパネルディスカッションが行われた。
まずは、「家にある持ち物を売ることを想定して買う」という消費行動についてディスカッションを実施。前川氏が、結果を踏まえた今後のサービス向上について見解を示した。
『今回の調査結果をふまえて、「メルカリ」では、お客さまの購入や売却をより良い体験にできるようにサポートしていきたいと考えています。具体的には、持ち物を可視化することで、良い価格で売れるタイミングで売却ができるといった体験を提供していきたいです』(前川氏)
次にメルカリの山本氏は、二つの観点で調査結果について、解説を行った。
一つ目が「メルカリ」をマーケットプレイスの観点で見た際に、ユーザーからきちんと商品が売れる場所として認識してもらえていることを特徴として挙げた。実際にユーザーが多くなったことで、「本当に売れる」という確信を「メルカリ」が提供できるようになってきている。
もう一つがフィンテックとしての一面だ。「メルカリ」のサービス開始初期の役割は、商品を売ってお金を手に入れ、それで欲しいものを買うというものだった。しかし、「メルペイ」により後払い機能が実装されたことで、手元ではまだものが売れてない状態でも後払いとして購入し、支払いタイミングまでには商品が売れており、売上金で支払いが可能になったという。
これらをふまえてメルカリの山本氏は次のように語った。
『「メルカリで」は、マーケットプレイス事業と後払いのフィンテック事業を掛け合わせることで、売る行為と買う行為を非同期化する環境を整えることができていると考えています。より多くの人が我慢せずに欲しいものを手に入れることができ、不要になったものを捨てることなく、価値を感じてもらえる人の手に届くようなプラットフォームになれていることを嬉しく思っています。今後もより多くの人が使いやすいと感じるような基盤を整えていきたいと考えています』(山本氏)
