Qoo10の「メガ割」でキープ消費の増加がさらに加速
盛り上がりを見せるECモールの中でも、女性がメインターゲットとなりやすい美容や食品といった領域において大きく成長を遂げ、「キープ消費」を増やし続けているのが「Qoo10」です。
国内EC市場規模(BtoC 物販系)が年約9%成長なのに対し、Qoo10の流通総額は年20~40%(※1)とも言われています。その成長を支えるユーザーの構成比は女性が約8割、10-30代が約7割(※2)とされており、若年女性の購入層拡大を狙う新たなチャネルとしても注目されているのです。

Qoo10が年4回開催している「メガ割」は、いまや若年女性にとってSNSでは恒例の“祭り”となっており、「気になる商品をSNSで見つけたら、まずは保存やキャプチャをしておいて『メガ割』の時期に見返す」「『メガ割』の時期になったら関連ハッシュタグで検索して、9枚のクーポンをどう使うか考えるのが楽しみ」といったユーザーの声も多く聞かれます。
トレンダーズの調査でも「メガ割」が開催されるたびにSNSでの関連投稿が期間中は急増することがわかっており、生活者の購入意欲が一気に高まっている様子が見て取れます。美容や食品の領域において、この“祭り”の期間にどれだけブランドや商品との接点を作れるかは、ECメインではない実店舗メインのブランドであっても重要だと考えられます。
(※1)(※2) eBay Japan合同会社データより
認知率の低い商品であってもトライアル獲得を狙えるチャンスに
Qoo10の「メガ割」で成功した事例を一つご紹介します。「XOUL(ソウル)」というスキンケアコスメブランドなのですが、これまで公式EC限定での販売であったところ、2023年6月の「メガ割」にあわせてQoo10に初出店しました。
過去に同ブランドでは、Instagram広告を中心にインフルエンサー施策を定期的に実施していましたが、「メガ割」の世間的な盛り上がりを受け、生活者の新たな接点作りのトライアル施策として実施。とはいえ、認知度はこれからの商品ということもあり、「メガ割」のお得さに惹かれた既存ユーザーの購入が中心になるのと予想されていました。

ところが蓋を開けてみると、「メガ割」期間中の購入者の93%が新規顧客という結果に。新規層の獲得チャネルとして大きなポテンシャルがあることがわかったのです。この結果に大きく寄与していたと考えられるのが、「メガ割」の開催直前から直後に実施したインフルエンサー施策です。
過去の取り組みで実績が良かった方やQoo10に関する投稿を普段からしている方を起用し、「メガ割」にフォーカスして商品を紹介したのですが、平均リーチ率は90%以上、平均エンゲージメント率も3%以上と、通常のインフルエンサー施策と比較しても非常に高い成果が現れました。
Qoo10内のトラフィックを見てみると、「メガ割」最初の週末に「お気に入り」の機能からの流入が増加。さらにクーポン期限の発行日と最終日にも「お気に入り」からの流入増加が見られました。
これらの事象から、おそらく「メガ割」開催前のタイミングでインフルエンサーの投稿を見て、いくつかの商品を検討候補としてQoo10のお気に入りに追加。実際に「メガ割」が始まると、お気に入りの中から順番にお目当てのものを購入していき、終盤にかけてクーポンを使い切るためにお気に入りを見直して購入する。といった行動が起きたと考えられます。

つまり「メガ割」の開催前に、インフルエンサーを含む第三者のSNS投稿を通して「メガ割で検討したい商品」としてキープされることが非常に重要なのです。認知率の低い商品の場合、購入検討の第一候補になることは難しいかもしれませんが、9番目の候補までに入れば購入されるチャンスがあるというのが、メガ割を活用するプロモーションの大きなメリットと言えるでしょう。