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【特集】事業フェーズ×組織規模で見る「BtoBマーケティング」

つまずきポイントを知って成果につなげる ABMのベストプラクティス

大手企業のABM推進はなぜ難しい?

──大手企業とスタートアップでABMのベストプラクティスに違いはありますか?

 ベストプラクティス自体に違いはないです。ただ、難易度は大きく異なります。多くのスタートアップは扱っている商材の数が少なく、フェーズが早いスタートアップなら既存顧客もほとんどいません。つまり「一つの商材を取引がない顧客にどう届けるか」という非常にシンプルな問いに向き合います。そのため意思決定が早く進み、効果測定も実行しやすいです。

 一方の大手企業は幅広い商材を扱っていることが多く、ABMのステップが複雑になりがちです。「この商材はどのような企業に刺さるのか」を考え、打つべき施策を丁寧に紐解いていく姿勢が求められます。

 また、前述した組織の縦割り問題も無視できません。営業部門とマーケティング部門のコミュニケーションを円滑に進めるためには、ふさわしい人物をCROに任命したり、外部からファシリテーターを呼んで定例会議を開催したりする方法が有効です。ターゲットリストの合意も定例会議の場で行いましょう。ターゲットリストは最初に作成したものを使い続けるのではなく、定期的に見直して内容をチューニングすることが非常に重要です。

 最近では多くの企業がMAツールを導入しているものの、うまく活用できていない例も多々見受けられます。たとえば「属性情報は入っているが、商談や受注につながったかどうかが入力されていない」というケースです。また、同一企業のデータが各部門でバラバラに入力されていることもあります。データの正規化にあたっては、ベンダーの力を借りるのも一つの手です。何にせよデータを整える意思決定をすることが大切だと思います。

 データに関しては、分析ノウハウが社内に蓄積できていない点を課題視する方も多いです。この場合は人材育成に注力したり、外部パートナーの力を借りたり、あるいはテクノロジーをうまく取り入れたりすれば解消できると思います。

──最後に、読者へ向けたメッセージをお願いします。

 BtoBマーケティングで成果を上げたいのであれば、ABMにトライすることをおすすめします。ABMが世界のスタンダードになっていることからも、その価値は証明されているはずです。マーケティング部門だけで売上をつくることはほぼ不可能ですから、営業部門と連携しながら収益を最大化する手法としてABMを活用いただきたいです。これからABMにトライする方は「マーケティング部門と営業部門でターゲット企業を合意する」というプロセスから始めてみてください。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/09/20 09:30 https://markezine.jp/article/detail/43527

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