最初から理想通りにいかなくとも、戦略を立てておくべきわけ
ルシダスの提唱するマーケティング戦略は、一番上が「リード獲得」となり、そこから「Cold」「Warm」「Hot」とリードをナーチャリングしていく。その先に「MQL(Marketing Qualified Lead)」「SAL(Sales Accepted Lead)」があり、「商談」「顧客化」へとつながっていく流れだ。
顧客と接する「リード獲得」から、営業やインサイドセールスに送客できる状態になる「MQL」までの領域が、同社におけるマーケティングの担当領域だという。
このモデルの元、各ステップを回すためにルシダスが行っていることが、エンゲージメントマーケティングだ。コンテンツによって見込み顧客と接触しながらマーケティングを展開していく形が基本的な骨子となる。しかしマーケティング戦略のコンサルティング会社である同社自身、はじめから理想通りにできていたわけではなく、現実とのギャップがあったと池上氏は振り返る。
「創業時からマーケティングにはMAツールを、営業にはCRMを導入してそれぞれ連携させていました。マーケティング部門でナーチャリングされたMQLが自動的に営業のCRMに入り、インサイドセールスへ連絡を入れるように伝えるのが理想です。しかし社内プロセスとして確立されていませんでした。コンテンツマーケティングをしているといえど、初期のコンテンツ量は少ない。理想の姿に最初からなれる、戦略を立てればすぐ実行できるものではありませんでした」(池上氏)
それでも、理想の姿とそのためのステップを作らなくてはいけない理由は、モデルや戦略を持つことで自分たちは今どこを目指すべきなのかが可視化されるからだ。「売り上げなどの目的を阻害する最大のボトルネックがどこにあるのか。それを見極めることで、重要度の高い部分へ施策を打って出ることができます」と池上氏。これによりルシダスは数年間かけて、入り口から出口まで一貫したプロセスを完成させたという。
たとえインターネットがなくなっても、戦略は変わらない
はじめに触れたテクノロジーの環境変化に振り回されないためには、戦略を確立させることが重要になる。ルシダスの戦略は、「役立つコンテンツで顧客との接触を深める中で、徐々に顧客理解を進めていき、機会創出をしていくこと」だ。全体の戦略に合わせて個別の施策を考えていくことで、前述のような外部環境の変化にもダメージはないという。
変化の一つとして、Googleの検索アルゴリズムのアップデートがある。これは特定のキーワードをわざと盛り込んだりリンクの数を増やしたりと、小手先で検索順位を上げようとするコンテンツを排除して、有用な情報の順位が上がるようにしているのだ。
「ルシダスでは『お客様が知りたいこと・興味を持っていること』をコンテンツ開発の基本に置いています。だからこそアルゴリズムが変わっても、検索エンジンが有用な情報をユーザーに届けるというゴールを持っている以上、コンテンツを上位に表示させることができます。一般的なSEO対策はしていませんが、見込み客となりそうな人たちには頻繁に高順位の検索結果が出ます」(池上氏)
サードパーティCookie規制に関しても同様だ。そもそも同社ではリターゲティング広告を打っていない。それ以前の問題として、顧客が嫌がることはやらないのだ。せっかく築いた関係性やエンゲージメントが台無しになることは、一貫して行わないのだと池上氏は説明した。
「我々が一番注力したことは、戦略に沿ってコンテンツを作り、顧客になる人の心理を理解することです。たとえ今日インターネットがなくなったとしても、デジタル施策がDMや本に置き換わるだけでしょう。つまり戦略は変わらず、施策だけが変わるのです。まずは、戦略と施策の違いを見極めることからスタートしていきましょう」と池上氏は述べ、セッションを締めくくった。
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