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顧客視点に潜む落とし穴とは?オイシックス奥谷氏と電通に聞く、顧客にとって「うれしい体験!」の作り方

顧客視点に立つため、販促施策で見るべきポイントは?

MZ:落とし穴の3つ目についてはいかがでしょうか。

大前:最後の落とし穴は、「短期で売り上げを目的に、販促キャンペーンを実施」することが企業視点です。キャンペーン自体を否定しているのではなく、キャンペーン後に顧客との関係性を構築できているかという視点が大切なのです。

MZ:その落とし穴に陥らないためには、どうすればよいのでしょうか?

大前:そのためには、ユーザーが商品を使っている時間に価値を提供する必要があります。明治のプロビオヨーグルトPA−3でオンラインサロン(=ファンコミュニティ)を運営していますが、これは、私の広告人生にとって貴重な体験でした。今までは自分のアイデア優先だったのですが、顧客視点と合わせると全然違ったりする。

 たとえば飲み会では、自分の尿酸値のことを卑下して笑いをとっている人も多いです。でも実は、尿酸値対策生活は孤独であり、自分の対策生活を応援してくれる存在が欲しい、そして購入時だけでなくずっと応援し続けてほしいという顧客の心の声があったのです。顧客視点に徹底的にこだわることで、本当に共感されるアイデアやクリエーティブの創造ができ、それが継続購入につながります。

熊谷:短期の販促施策ばかり考えると、どうしてもコンバージョンや商品・サービスの購入数に目が行ってしまいます。それに対して顧客視点に立ったマーケティングでは、おのずと長期的なコミュニケーションが必要になります。したがって、体験価値の評価指標を取り入れることがポイントです。たとえばアンバサダープログラムのような、ファンと継続的にコミュニケーションを取っていく施策の場合は、ファンのエンゲージメント率を評価軸に施策を展開するといいと思います。

 過去に、ある保険会社のLINEアカウントを運用した際は、資料請求や問い合わせ件数だけでなくコラムの閲覧数を重視していました。どんなコンテンツが読まれるかを把握し、顧客の体験価値の向上に努めていたのです。

奥谷:企業は長期的な視野を持った上で、カスタマーサクセスを目標に販促キャンペーンをやっていくと良いでしょう。キャンペーンにはブランドや商品のミッション・ビジョンを盛り込み、“企業と顧客の約束”として、体験や共感につなげていく流れです。

企業が陥りがちな3つの落とし穴
企業が陥りがちな3つの落とし穴

顧客が喜ぶ体験設計を4つのステップで伴走

MZ:これら3つの落とし穴を踏まえ、顧客視点でのマーケティング施策を実行するためのソリューションをお教えください。

大前:電通のエンゲージメントコンサルティング部では、顧客が心揺さぶられる「うれしい体験」をビジョンに掲げ、顧客視点でのマーケティング実現をサポートしています。「現場の体験の棚卸し」「課題の抽出とありたき姿策定」「アイディエーション」「具体的手法の設計」の4つのステップに沿って、戦略設計から施策実行まで伴走しています。

熊谷:リアル・デジタルの両軸での体験設計が可能になっており、所属するメンバーの強みや専門領域も多岐にわたります。プランニング・クリエーティブ・コミュニケーション・UI/UXデザイン・PMコンサルティングまで、ワンストップでマーケティング施策支援が可能な体制です。

電通 エンゲージメントコンサルティング部のソリューション
電通 エンゲージメントコンサルティング部のソリューション

MZ:奥谷さんは、エンゲージメントコンサルティング部をどう見られていますか。

奥谷:デジタルやデータ分析の部分に入る前に、クリエーティブなどの領域にもトライできるようなリソースが豊富にあるところが素晴らしいと思います。施策を繰り返し行える、全方位型のマーケティング部隊だと感じますね。そして何より、ワンチームで、ワンストップで支援を行えるのも大きな強みではないでしょうか。

エンゲージメントコンサルティング部のメンバー
エンゲージメントコンサルティング部のメンバー

MZ:最後に、今後の展望について教えてください。

大前:顧客に向き合っている企業は多いと思いますが、今一度、顧客視点から、企業視点へすり替わっていないか見つめ直すことが大切です。また課題設定に悩むクライアントさんも多いですが、顧客視点は課題設定にも有効です。顧客視点から紐解けば、クリアな課題が設定できます。

熊谷:あらゆる体験を、1つのIDのもとデータを連携し設計していく形が理想ですが、今すぐすべての企業が実現できるわけではありません。まずは目の前の課題一つひとつに顧客視点を取り入れることが重要であり、私たちも全力でそのサポートをしてまいります。

奥谷:これから企業が提供する商品・サービスには、顧客にとってのオーセンティシティー(本物であること)の要素が重視されていくと考えています。企業は機能の競争をするのではなく顧客が持つパーセプションを理解することで、共感を生む体験を提供できるのではないでしょうか。

自社のマーケティング活動で、顧客にとって本当に「うれしい体験」を実現したい方へ

本記事を読んで自社のマーケティングを見直したいとお考えの方、電通のエンゲージメントコンサルティング部にご相談をご希望の方は、engagementdesign@dentsu.co.jpまでお問い合わせください!

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この記事の著者

太田 祐一(オオタ ユウイチ)

 日本大学芸術学部放送学科を中退後、脚本家を目指すも挫折。その後、住宅関係、金属関係の業界紙での新聞記者を経て、コロナ禍の2020年にフリーライターとして独立。現在は、IT関係を中心に様々な媒体で取材・記事執筆活動を行っています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社 電通グループ

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2023/11/24 10:00 https://markezine.jp/article/detail/43910

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