第三のキャラ「なーむくん」が登場
そんな折、当初から「せんとくん」には信仰上の問題があるとして、3月27日には図案の再考を求める意見書を事業協会に提出していた南都二六会(奈良市と周辺の19寺院の僧侶による宗派を超えた親睦団体、会長は十輪院住職の橋本純信さん)が、6月20日に独自のキャラクター「なーむくん」を発表した。
しかし後発の悲しさ、報道や世間の反応はワン・オブ・ゼムの「第三のキャラ」扱いで、先行する2キャラクターほどのインパクトはいまひとつ勝ち得ていないようである。さらに南都二六会はウェブ上に公式サイトなど情報発信の拠点を持っていないようで、公式リリースを閲覧できるせんとくん やまんとくんに対して、キャラクターのディティールや選定の経緯などがよくわからないという難点もある。


そこで、南都二六会の橋本住職に直接電話でお話をうかがい、なーむくんのディティールをまとめてみた。また橋本住職には、なーむくんのデザイン画も送付いただいたので合わせて掲載する。
なーむくんのデザインは一般市民からの投稿
なーむくんを発案したのは、高松市の平野重夫さん。二六会がせんとくんのデザインに抗議したことをテレビで知り、それならば仏の教えに沿ったキャラクターをと、知人で大阪市のデザイナー入江実さん(大阪市)に依頼してデザインしたもの。これがある日突然、十輪院に届いた。ちょうど「まんとくん」が発表されたころだったという。
橋本住職によると、南都二六会では「せんとくん」について、眉間に「白毫(びゃくごう)[*1]」が無ければまだ「苦虫を噛み潰している気分で我慢はできる」が、白毫がある以上は(事業協会の説明する「童子」ではなく)仏さまに角を生やしたととらえざるをえず「信仰上受け入れることはできない」ものの、当初は独自のキャラクター策定までは考えていなかった。しかし具体的な図案が送られてきたことで、これを活用することになった。
[*1] 白毫:仏の身体的特徴を表す三十二相のひとつ。眉間のやや上に生える白く長い巻き毛で、伸ばすと1丈5尺になる。仏像の額にある丸いぽっちりがこれ。
