他人に対しても「よいことをしたい」という思い
フェアトレードチョコレートは「自分へのご褒美として買う」という声が、ソーシャルボイスを通して多く見られた。中でも特に興味深かったのが、以下だ。
〇〇(ブランド名)のチョコ、フェアトレード込みゆえだとわかりつつ、高いんだよなぁと思っていたけれど「デパ地下で高級チョコを買うより安いのか」と考えたら手に取れるようになった。
同投稿から、以前は「高級なブランドもの=自分だけのご褒美」とされていた価値観が、自分だけではなく、「他人にも良いもの・こと」をという価値観に変化しているようだ。

では、この生活者の購入判断の変化に対し、企業はどのようなアクションを行えば良いのだろうか。
フェアトレード商品の購入、浸透の障壁とは?
ここからは、フェアトレード商品の選択と購入を当たり前にし、ソーシャル上でも日常的に発信するトピックとなっていくための方法を探っていこう。
まず、フェアトレード商品の購入が、生活者の行動につながりづらい理由は、どこにあるのだろうか。ソーシャルボイスを読み解くと、フェアトレード商品を好んで買う人であっても、当初はハードルがあったことがうかがえる。
10年前はフェアトレード商品を買うの、選択肢も少なかったし、意識高い系に見られるのがうざくてこっそり買っていた。2010年代の終わりから、エシカル消費というワードとともに商品の幅や、消費者の幅が増えてきて、買いやすく・話やすくなったなーと思う。すごく良い!
フェアトレード商品買ったほうがいいのだろうと思いつつ、どこで買えるか知らないなとか、高いのだろうなとか、勝手にハードル上げて視野に入れてこなかった。けれど、身近なところにもあるの全然知らなかった(汗)ブラックサンダーも小枝もそうだったのか!!めちゃくちゃ勉強になった~
個包装に無関心なので、イオンでこんなものもフェアトレード商品かされているの知らなかった!誰でも手に取りやすい商品に広まっているのはいいことだなーと思いました。
これらの投稿から、以前は「少し特別なもの」「意識の高い人がするもの」などと思われていたが、各社の動きから近年では手に取りやすい環境になったという声が多く見られた。結果、フェアトレード商品を「意識的に」購入するきっかけは増えているように見られる。
また、今後フェアトレードをより加速させていくために、以下の投稿についても考えてきたい。
世の中のフェアトレード商品に足りないのは「おいしい雰囲気」と「軽い雰囲気」ではないかと常々思っていて。おいしそうとか、かわいいなとか、なんとなく手に取ったものの、背景がたまたまフェアな作り方をしていた。そういう、あまり重たさを与えない出会いかたもありなのかなと思うのです。
生活者にとって「フェアトレード商品を買っている」「SDGsの良いことをしている感」が強まることで、義務感・強制感が強まり、Have toになる傾向がある。「やってみたい」と思うWant toにしていくためには、特別すぎてしまう「重い雰囲気」を払拭するような取り組みが必要なようだ。
