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WC終了後、バスケへの関心はどうなった? 近年のバスケトレンドをビッグデータで分析

映画「SLAM DUNK」の影響も?

 年々注目が高まっているバスケットボールですが、人々を惹きつける要因として考えられるものは何でしょうか。筆者が着目したのは、映画「SLAM DUNK」の公開です。

 「Dockpit」のデータからは、映画「SLAM DUNK」の公開前後で「バスケットボール」と「B.LEAGUE」の検索者数に大きな変化は見られませんでした。しかし、「スラムダンク」と「バスケットボール」、もしくは「Bリーグ」を両方検索したユーザー比率は、映画公開前後で上昇していることがわかりました。

2021年11月~2023年10月「Bリーグ」から見た他キーワード併用検索ユーザー数推移(Dockpit/PC・スマホ合算)
2021年11月~2023年10月「Bリーグ」から見た他キーワード併用検索ユーザー数推移(Dockpit/PC・スマホ合算)
2021年11月~2023年10月「バスケットボール」から見た他キーワード併用検索ユーザー数推移(Dockpit/PC・スマホ合算)
2021年11月~2023年10月「バスケットボール」から見た他キーワード併用検索ユーザー数推移(Dockpit/PC・スマホ合算)

 つまり、映画がバスケットボールに関心を持つきっかけの一つになり、ワールドカップやその後のB.LEAGUEの関心者急増に繋がっている可能性があります。

 筆者自身も、これまでバスケットボールの観戦は配信を含めて経験がありませんでしたが、映画SLAM DUNKを観たことをきっかけにアニメ全編を視聴。その後、バスケットボールというスポーツ自体へ興味がわき始め、実際にスタジアムに足を運び、地元のB3リーグの試合や、ワールドカップ直前の国際強化試合などを観戦するまでに至りました。

“タイパ重視”の時代も、バスケットボールは強固なコンテンツ

 また、バスケットボールへの注目度が高まっているもう一つの要因として、バスケットボールならではの試合展開のダイナミックさもあるのではないかと考えています。

 昨今、動画の倍速視聴や短尺動画などが普及しつつあることも相まって“タイパ”へのニーズが高まっています。試合展開が目まぐるしく変わるバスケットボールは、タイパを重視する方々にも受け入れられやすい・注目を集め続けやすいのではないでしょうか。私も実際に観戦する中で、1試合の中で常時ワクワクしながら見られる点が非常に魅力的だと感じています。

 そこで、ヴァリューズのターゲット分析ツール「story bank」を用いて、TikTokユーザーが普段観戦するスポーツを集計してみました(TikTokアプリ起動者ユーザーのアンケート回答内容を集計)。下の図は、縦軸をリーチ率(※1)、横軸を特徴値(※2)とした、TikTokアプリ起動者が観戦するスポーツの散布図です。

 すると、日本国内の生活者全体の傾向と比較して、TikTokユーザーはバスケットボールを観戦する傾向が高いことがわかりました。対して、プロ野球については、TikTokユーザーは平均よりも観戦しない傾向にあるようです。さらに20代に絞ると、TikTokユーザーにプロ野球観戦者が少ないという傾向は強まっています。

2021年11月~2023年10月 TikTokアプリ起動者の観戦するスポーツ(観戦スポーツは、対象者のアンケート回答データを引用)(story bank/スマホ)
【クリックして拡大】2022年11月~2023年10月 TikTokアプリ起動者の観戦するスポーツ(観戦スポーツは、対象者のアンケート回答データを引用)(story bank/スマホ)
2021年11月~2023年10月 TikTokアプリ起動者(20代に絞り込み)の観戦するスポーツ(観戦スポーツは、対象者のアンケート回答データを引用)(story bank/スマホ)
【クリックして拡大】2022年11月~2023年10月 TikTokアプリ起動者(20代に絞り込み)の観戦するスポーツ(観戦スポーツは、対象者のアンケート回答データを引用)(story bank/スマホ)

 昨今は、様々なジャンルのコンテンツを手軽に楽しむことができるようになり、また倍速視聴や短尺動画コンテンツの普及もあり、1つのコンテンツに注目を集め続けることの難易度が上がっていると考えます。そのような中でも、バスケットボールへの注目がこの数年で高まり続けているのは、1試合を通して緊迫感や興奮を得られるという特徴が影響していそうです。

 ここまで、この数年のバスケットボールのトレンドや関心者層について分析してきました。

 今回のワールドカップで非常に大きな注目を集めたことが、B.LEAGUEへの注目、集客増加などにも繋がっていると考えられますが、バスケットボール自体への関心者が着々と増えていることも読み取れました。一時的なトレンドではなく、今後もバスケットボールへの関心は高まり、さらに盛り上がっていくのではないかと見ています。

※1 リーチ率:対象者のうち、アンケートで当該項目に回答した人数の比率。

※2 特徴値:対象者が、一般的なネット利用者と比べて特徴的に利用するサイト・起動するアプリ・検索するワードを可視化するための指標。(特徴値) =(対象者のリーチ率)ー(ネット人口全体のリーチ率)で算出される。

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この記事の著者

松本 優一(マツモト ユウイチ)

株式会社ヴァリューズ データマーケティング局 アライアンスG アシスタントマネージャー

早稲田大学文化構想学部を卒業後、新卒でヴァリューズに入社し、データマーケティング局に所属。マーケティングコンサルタントとして広告代理店や食品・頭皮化粧品企業を対象としたデジタルマーケティング/インサイト発見などの調査...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/24 14:59 https://markezine.jp/article/detail/44293

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