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MarkeZine Day 2026 Spring

「欲望(Desire)」で紐解く、消費者の今と未来

幸せだけど我慢も多い?消費の好循環からたどる、今どき若者の消費意識の現在地

心が動く消費体験は、気持ちを前向きにさせる

 DDDでは「心が動く経験をすると、気持ちが前向きになる」という消費行動モデルを考案しています。11月の調査ではそのモデルが実証される形になりました(図表2)。

【図表1】設問「良い気分、気持ちが得られた買い物・商品があったか?」の結果(クリックして拡大)
【図表2】設問「最も心が動いた買い物をきかっけに生活に起きた良い変化は?」の結果(クリックして拡大)

 具体的には、心が動いた買い物をした人(2,548人)を分母にすると、そのうち40.3%が「最も心が動いた買い物をきっかけに気持ちが前向きに・元気になった」と回答。スコアをブレークダウンすると、男性(35.7%)より女性(44.6%)のほうが高いことから、性別の違いが顕著に見られました。また、年齢別で見ていくと、男性では30代のスコアが低く、女性では70~74歳のスコアが高いことも見て取れます。

 男性30代は「特に良い変化はなかった」が32.6%と最も高いことから、心が動いた買い物があったとしても気持ちがなかなか前向きになりにくい様子が浮き彫りになりました。その背景には、子育てや仕事などによって自らの消費活動に喜びや楽しみを見いだせていない姿が想像されます。一方、女性70~74歳は半数以上が、心が動いた買い物をすると気持ちが前向きになると回答したことから、DDDの消費行動モデルに非常にマッチしやすい層になっています。

心が動く消費体験が「サステナブルな消費の原動力」に

 前の章では、「心が動いた買い物をすると気持ちが前向きに向かいやすい」ということがわかりました。それでは、その前向きな気持ちは、次にどのような消費に向かうのでしょうか?

 DDDでは、消費で心が前向きに動いたことで新たにやりたいことが出てきたり、別の商品サービスへの興味や検討、リピート購入の意向が高まったりすることを総じて「消費の好循環」と定義しています。実際、図表3を見ると、その好循環が起きた人のスコアは全体で57.5%をマークしており、心が動いた消費をした人のうちおよそ6割弱に好循環が起きていることがわかりました。

【図表1】設問「良い気分、気持ちが得られた買い物・商品があったか?」の結果(クリックして拡大)
【図表3】設問「最も心が動いた買い物をして生じた気持ちの変化は?」の結果(クリックして拡大)

 性別と年齢層別で見ると、男性15~19歳と男性70~74歳で顕著に高くなっており、双方とも7割を超えています。この2つの層は孫と祖母と言えるくらいに年齢の開きがありますが、比較的好循環に繋がりやすいという点が共通項として見出せることになります。

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幸せだけど我慢も多い?今どき10代のリアル

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この記事の著者

立木 学之(タチキ ガクジ)

株式会社電通 第4マーケティング局 未来シナリオコンサルティング部 ソリューションプランナー/電通デザイアデザインメンバー

2003年電通入社以来、消費者研究センターや電通総研など主にマーケティング部門に所属。デジタル部門でビール、航空、食品、自動車関連、製薬、金融など多くの企業のデジタルマーケティングのプラン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

千葉 貴志(チバ タカシ)

株式会社電通 ソリューションクリエーションセンター 未来インサイト部 プロデューサー/プランナー/電通デザイアデザインメンバー

2008年電通入社。営業、デジタル、テレビ、電通総研などの部署を歴任し、現在は消費者研究プロジェクトDENTSU DESIRE DESIGNの一員として「欲望」を基点とした消費動向やト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/12/08 09:30 https://markezine.jp/article/detail/44297

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