2023年10月に「ステマ規制法」が施行されたことで、YouTuberはじめ多くのクリエイターにとって企業案件の向き合い方を考える必要が生まれた。チャンネル登録者数83万人を有するクリエイターのナカモトフウフは、ステマ規制法が施行される以前からプロモーション表記を徹底していたことに加え、「ナカモショッピング」というコーナーをタイアップ用に設けて、プロモーションを前面に打ち出した動画で多くの視聴者から支持を集めている。本記事では、夫・だいすけ氏に企業と視聴者との関係構築の方法、特殊な設計のプロモーションを行う狙いをうかがい、インフルエンサーと行う企業プロモーション成功の秘訣を紐解いた。
日常の投稿で“なんとなく見る”チャンネル作り
——はじめに、2024年1月現在で83万人のチャンネル登録者数を誇るYouTubeチャンネル「ナカモトフウフのOkinawa Life Vlog」について教えてください。
私は元々カメラマンで、YouTubeを始める前は夫婦でフォトスタジオの経営を行っていました。そのスタジオのPRの一環として、写真の撮り方などの紹介を行う「サンセットスタジオTV」というチャンネルを2016年に始めたのがYouTubeで活動し出したきっかけでした。
そのチャンネルのフォロワーが10万人を超えたタイミングで、仕事の幅を広げるために夫婦チャンネルを2018年に開始しました。それが「ナカモトフウフのOkinawa Life Vlog」です。
——チャンネルの運営を行うにあたって大切にしていることは何かありますか。
主に二つあります。一つ目は、活動していく上でストレスを溜めないようにすることです。もし私達が憂鬱(ゆううつ)な気持ちで動画撮影を行った場合、それを隠そうとしても良くない雰囲気は伝わってしまうと思います。企業さんにとってもそんな状態のチャンネルで商品を紹介して欲しくないですよね。
二つ目は、毎日投稿することです。その際には、気軽に“なんとなく”見てもらえる様なコンテンツ作りを目指しています。そのため夫婦が買い物や旅行に行く動画など、日常を切り取ったようなものも多いです。
——毎日投稿を続けることで感じる成果は何かありますか?
視聴者さんにとって、毎日顔を合わせる友達のような感覚になるらしく、視聴者とチャンネルの親和性が上がりました。実際、コメント数も増えていますし、私達夫婦のパーソナルな面も視聴者さんへ浸透していると感じますチャンネルへのファンエンゲージメントの向上といった面で非常に効果的だと感じていますね。
タイアップを隠すのはチャンネルにとってマイナス 二人が行き着いた案件を堂々と実施するスタイル
——現在お二人のチャンネルでは、企業とのタイアップ企画を行う際に「ナカモショッピング」という専用コーナーを設けて、タイアップであることを前面に押し出した動画を作っています。コーナーの概要とこのような設計で動画作りを行う理由をお聞かせください。
「ナカモショッピング」は、当チャンネルで人気のタイアップ用コーナーです。動画の中盤に、おもしろおかしく通販番組をオマージュしたコーナーを入れて商品紹介をしています。
一般的に普段の企画フォーマットに寄せてタイアップ動画を作ろうと思うと、動画に違和感が出やすくなります。そこで私達は堂々と“ショッピングコーナー”にすることにしました。これにより自然に、商品の魅力を前面に押し出すことができます。実際、当コーナーを設けるようになってから、クライアントさんからのタイアップ案件のリピート率が上がり、企業・視聴者共に評判は上々です。
——このような設計のコーナーを始めるきっかけは何かありましたか。
初めは特に何か戦略があったわけではありませんでした。理由は単純で、企業案件の違和感を隠そうとすることが、普段から私達を応援してくれている視聴者の皆さんに対して不義理に感じたからです。「これは案件です。こんな商品です」と説明したほうが誠実だと考え、このコーナーが生まれました。
唐突に1分半くらいの短いコーナーを挟むことが視聴者さん的にもちょっとした気分転換になるようで、タイアップにも関わらず、多くの視聴者さんに楽しんでもらえる人気コーナーの一つになっています。
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