ゲームともメタバースとも違う。Robloxの独自性とは?
MarkeZine編集部(以下、MZ):最初にRobloxがどのようなプラットフォームなのか紹介いただけますか。
田中:Robloxとは、3Dの没入型のソーシャルプラットフォームです。よくゲーミングプラットフォーム、メタバースなどと思われがちなのですが、どちらとも異なる魅力を持っています。
Robloxの本質は友だちと一緒にデジタルでつながって遊ぶ場所です。昔は公園で友だちと集まって遊具で遊んだりしたと思いますが、Robloxの中にも様々な「エクスペリエンス(体験)」という空間が用意されていて、その中でゲームをしたりコンテンツを体験したりすることができるんです。
MZ:他のプラットフォームと比較して特長的な部分はありますか。
田中:Robloxはプラットフォームというより、インターネットそのものに近いというのが特長です。現状はゲームが多くそこに注目が集まっていますが、あくまでRobloxは土台です。その中に様々な体験を用意できるというのが最大の魅力だと思っています。
グローバルDAU6,550万、圧倒的なリーチ力
MZ:海外では企業がRobloxをマーケティングに活用するケースも出てきています。マーケティングに活用するメリットはどこにあるのでしょうか。
森岡:一番のメリットは圧倒的なトラフィック量にあります。2023年6月末時点のデイリーアクティブユーザー(DAU)は6,550万人、マンスリーアクティブユーザーは2億を超えています。エクスペリエンスも2022年には580万もの新しいエクスペリエンスが作られました。Robloxのエクスペリエンスは誰でも作ることができ、誰でも遊ぶことができるため、UGC型のサービスとなっています。
この圧倒的なトラフィックに加えて、エンゲージメントの深さもメリットです。ユーザー一人当たりの平均滞在時間は2.3時間となっており、長時間Roblox上でゲームをしたりユーザー同士でコミュニケーションをとったりしているのです。他のSNSなどと比較しても長く、ながら視聴でもなく没入した状態が続いています。
これだけ膨大なユーザーが長時間滞在するプラットフォームなので、自然と企業やブランドによる取り組みも増加しています。有名なところだとナイキなどのアパレル、FIFAやNFLなどのプロスポーツ、TWICEやBLACKPINKなどのエンターテインメントなど様々な取り組みが行われています。
さらに自動車や旅行、リテールなどの取り組みも出てきており、今後も様々なブランドによる施策が加速していくことが考えられます。企業が公式SNSを持つのが当たり前になってきたように、企業のオウンドメディアの1つにRobloxの公式エクスペリエンスが入ってくる可能性もあります。