アクションにつながったかどうかも計測可能
──広告効果の可視化については各社でどのように取り組んでいますか?
蒲地:TVer広告の効果計測手法を二つご紹介します。一つはTVer IDを活用したブランドリフト調査です。TVer IDの登録者は、CTVで視聴している番組の続きをスマホで再生することができます。この際にスマホでアンケート画面を表示し、サービスやブランドの認知度を測ることが可能です。もう一つは7月にリリースした機能で、TVer広告がモバイルアプリのインストールにどの程度貢献したかを計測できます。Adjustの仕組みを使い、CTV広告の視聴後にゲームアプリなどがインストールされたかどうかを計測することが可能です。どちらの計測手法も、徐々に事例が出てきています。
甲斐:アプリインストールをはじめ、CTV広告の行動促進効果は広告主の関心事ですね。広告が届いた・見られた事実はもちろん大事ですが、広告主が我々に声をかけてくださる理由は「アクションにつながったかどうかを分析してもらえるから」「分析結果を次のプランニングに活かしてもらえるから」という点にあるため、そこがレポートとして出せるのは大きいです。
Septeni Japanでは、CTV広告の効果計測手法を三つ持っています。一つは地上波のテレビCMとTVer広告に重複接触したユーザーに対して、アスキング形式でリサーチをかける方法。もう一つは、TVer広告が配信された時分データを活用し、コンバージョンポイントとの関係性を見る方法です。この方法は当社が提供しているソリューションの利用が前提条件となります。最後はMMM(Marketing Modeling Mix)のように、統計的なアプローチをかける方法です。プロモーションの目的に応じて、採用する手法を決めています。TVer広告のリーチ数で効果が感じられる場合もあれば、複合的に数字を並べて示唆を見出す効果分析が求められる場合もあります。最近は後者のニーズが高まっている印象です。
──2024年、CTV広告はどのように発展していくと思われますか?
蒲地:動画広告市場は今後も成長し続け、その市場でCTV広告が占める割合も一層高まっていくでしょう。CTVの中でTVerを選んでもらうための努力を続けつつ、視聴者にとって安心安全なプラットフォームとして広告主のメッセージをユーザーに届けていきたいです。
甲斐:これまでテレビデバイスを利用する人にリーチできる広告メニューは地上波のテレビCMだけでしたが、CTV広告の登場によって打ち手が増えました。加えてCTV広告にはデジタルの良さも備わっているため、成功パターンなど科学のしがいがあると感じています。
当社としてはCTV広告の可能性や価値を伝えつつ、クライアントのマーケティングROIを改善することが使命だと考えています。中でもTVerはユーザー規模やクリーン性に大きな魅力のあるプラットフォームですから、引き続きTVer広告の販売をリードしていきたいです。