※本記事は、2023年12月刊行の『MarkeZine』(雑誌)96号に掲載したものです
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Microsoft広告を導入しているクライアントとその目的は?
Microsoft Advertising Regional Vice President Japan
有園雄一氏
2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア(現LINEヤフー)、グーグル(Sales Strategy and Planning/戦略企画担当)、アタラ合同会社COOなどを経て現職。
──Microsoft広告は現在どのようなクライアントが導入しているのか、またその目的は何かについて教えてください。
現在Microsoft広告では、検索連動型広告、MSNやEdgeなどに配信できるオーディエンス広告(Microsoft Audience Network)、Netflix広告の3つをメインに提供しており、それぞれ導入しているクライアントの業種、導入の目的が異なります。
まず、検索連動型広告に関しては、Web上の購買や申し込みの増加といったパフォーマンス目的で導入されることが多いです。導入しているクライアントにはBtoCの大手ショッピングサイトを運営する企業、BtoB向けECを展開する企業、航空チケットなどを販売する企業など、幅広い業種の企業に出稿いただいています。
また弊社の調査では、他の検索プラットフォームにも出稿している大手企業の広告主による出稿が多く、出稿しているクライアント様から獲得CPAが安いと評価いただいています。
次に、オーディエンス広告ですが、こちらは広告露出による認知・ブランディング目的、パフォーマンス目的の両方で導入されており、順調な成長を見せています。また、パフォーマンス目的で検索連動型広告を出稿している大手広告主の大半が、オーディエンス広告を併用しているのが特徴です。
併用している背景には、Microsoftが保有するデータの質の高さがあります。AIで広告運用を自動最適化する動きはどのプラットフォームでも進んでいますが、Microsoft広告はその最適化に1stPartyデータを活用しています。
その結果、パフォーマンス目的のCVRは向上し、CPAが低下するケースが出てきています。すべてのクライアントではありませんが、配信に関するアカウント設計やターゲティング設定をきちんと行えば、検索連動型広告に引けを取らないパフォーマンスにつながることもあります。これはMicrosoftだからこそ実現できると考えています。
最後にNetflix広告ですが、こちらはブランディング目的がほとんどとなっています。特に導入の多いクライアントというのはありませんが、継続して出稿するところが増えています。初めはお試しで導入していたところがリピートするようになったことで、Netflix広告による売上も増えてきています。