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【特集】2024年・広告の出し先

注目媒体の最新トピックス:DOOHの出稿率伸長の背景 モーメントを捉えられる唯一無二の媒体へ進化

 次にフォーカスするのは、近年右肩上がりで成長を続けているデジタルOOH(以下DOOH)。人流の戻りとデータ×テクノロジーによる媒体の進化が相まって、広告領域での注目や活用が高まっているようだ。

※本記事は、2023年12月刊行の『MarkeZine』(雑誌)96号に掲載したものです

コロナ禍の落ち込みから完全復活

株式会社LIVE BOARD インサイト部 ディレクター 植村 征氏

株式会社LIVE BOARD インサイト部
ディレクター 植村 征氏

電通に入社後は新聞局映画担当。その後メディアプランニングに従事し、トイレタリー・化粧品・自動車・食品・飲料など様々な業種を担当。2023年にLIVE BOARD社に出向。

株式会社LIVE BOARD インサイト部 ディレクター 植村 征氏

株式会社LIVE BOARD インサイト部
マネージャー 小林春輝氏

2015年電通入社。OOH局で位置情報を活用したOOH広告配信のソリューションや、効果検証の仕組みの開発・提供に従事。2021年よりLIVE BOARD社に出向。

──デジタル化されたOOHがこの数年で一気に普及しています。広告業界における注目度も増していますね。

 はい、LIVE BOARDの運営しているビジョンは、2019年の創業当時は31面だったところから年々拡大を続け、現在では全国51,800以上にまで増加しています。特に昨年からは交通広告内のビジョンとの連携が進み、直近では東京メトロ全路線における「Tokyo Metro Vision」との連携、JR西日本の「WESTビジョン」6,716面との連携も開始しました。自社でのビジョン設置はもちろん、他社との連携を進めることで、ネットワークを拡大させてきた形です。

 また、近年DOOHへの関心が高まっている背景には、コロナ禍からの解放が関係していると考えています。新型コロナウイルスが流行し始めた当初、我々はスーパーに買い物に行くことすら躊躇してしまうような状況に陥りました。しばらくして状況は落ち着き、時々出社をしたり、ルールを守って外食を楽しんだりできるようになりましたが、家族や友人と街に出かけるというような機会はめっきり減ってしまっていました。

 そんな状況を経て、肌感としては2022年の今頃からでしょうか、「外出したい」という人々の欲が解放され始めた印象があります。実際、これにともないOOHへの出稿も復活し始め、当社が実施した調査によると、コロナ禍の2021年には10.4%まで落ち込んだDOOHの出稿率も2022年は11.9%、2023年は14.2%と増加傾向になっています。

DOOH(プログラマティック)市場は世界全体で増加傾向にある 出典:World Out Of Home Organization
DOOH(プログラマティック)市場は世界全体で増加傾向にある 出典:World Out Of Home Organization

──DOOHへの注目の高まりについては、データとテクノロジーによる進化も大いに関係していそうですが、いかがですか?

 そうですね。従来のOOHにおけるターゲティングとは、「若年層ターゲットだから若者の多い渋谷に掲出しよう」といったレベル感のものでした。それが進化し、LIVE BOARDの運営するDOOHでは、NTTドコモのビッグデータを活用することで「いつ・どこに・どんな人たちがいるのか」を可視化することができるようになっています。つまり、各ビジョンのターゲット含有率を踏まえて、効率の良い広告出稿ができるわけです。デジタル広告の台頭により、「広告の効率化」が重要視されるようになっている今、ターゲットがいる時間と場所を狙って出稿していくというDOOHの現在のトレンドは、主流になっていくだろうと見ています。

 加えて、LIVE BOARDでは効果計測のための機能整備にも力を入れてきました。具体的には、OOH業界の国際団体WOO(World Out Of Home Organization)が定めているガイドラインに基づき、最も精緻なVAC(Visibility Adjusted Contact/のべ広告視認者数を採用)指標を採用してインプレッションを定義しています。

 OOHの広告効果計測には4つの階層があり、1→4に上がるにつれてより詳細な計測階層となる。LIVE BOARDが採用しているのは4のVAC。

  1. サーキュレーション:媒体の近くにいるオーディエンス
  2. OTS(Opportunity to See):視認エリアにいるオーディエンス
  3. OTC(Opportunity to Contact):視認エリアにいて、進行方向・障害物の有無関係なく媒体を見ることができるオーディエンス
  4. VAC(Visibility Ad justed Contact):OTCのうち広告を見たと想定できる確率(視認率)をかけて調整したオーディエンス
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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/24 14:53 https://markezine.jp/article/detail/44415

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