Copilotを絡めた広告のアップデートに注目
──2023年、Microsoft広告では様々な機能のリリースやアップデートが行われたと思います。その中でも特に反響が大きかったものや御社として大きなトピックだったものはなんですか。
特にインパクトの大きかったのはCopilot(旧:BingChat)に広告を表示できる機能ですね。Copilotは2023年5月に一般公開した、生成AIの最新モデルGPT-4を活用したチャット機能で、Bing上で無料提供しており、様々な質問に対して答えてくれます。同機能の登場後、Bingアプリのダウンロードとアクティブユーザー数が大きく増加しています。そして、Copilotではチャットの内容に合わせた広告を表示しているのですが、非常にCTRが高く、米国ではMicrosoft広告の検索連動型広告と比較しても約1.8倍高いというデータが出ています。また、パブリッシャーやアプリ企業向けにCopilotの機能を提供する「Ads for chatAPI」をスタートしました。既にSnapchatなどが導入しており、他のWebサイトやアプリでCopilotと同様のチャット体験、広告表示が行えます。その他にも、広告管理画面上にCopilotの機能を追加し、バナーや検索連動型広告のテキストを自動生成するといったことも可能です(日本語版は今後提供予定)。
──Copilotの広告を中心に大きなアップデートがあったMicrosoft広告ですが、今後行われる予定のアップデートはありますか。
直近だと2023年9月に発表した「Compare&Decide Ads(比較&決定広告)」は今後行われる大きなアップデートになります。2024年に提供予定の機能で、Copilot上で行われるチャットの内容に合わせて、比較型の広告を表示するものです。たとえば、自動車の購入を検討しているユーザーがCopilotで質問をすると、各自動車メーカーの値段やスペックの比較表が出てきます。この値段やスペックは広告主の登録しているデータを基にGPT-4が作成します。

他プラットフォームより優れたデータでメリットを届ける
──最後に、MarkeZineの読者の皆さんにMicrosoft広告を効果的に活用するためのアドバイスをお願いできますでしょうか。
先ほどもお話ししましたが、Microsoft広告の強みは1stPartyデータのクオリティの高さにあります。私がMicrosoft広告の国内責任者として入社したのも、1stPartyデータが豊富で、日本の広告主に普及させることに大きなメリットがあると感じたからです。また、2024年に各種Webブラウザの3rdPartyCookie対応が終了すると言われています。その中で、1stPartyデータに強みを持つMicrosoft広告は、高いパフォーマンスをお返しできると考えています。アカウント設計とターゲティング設定を早い段階で行い、ぜひMicrosoft広告で利益を得ていただければと思います。