それでもなくならないポップアップたち
ユーザーにストレスを与えてきたこのデザインは、何十年も前から存在しているもののなくなっていないですし、むしろ最近はその妨げ度合いがさらに増してしているようにも感じます。ポップアップをブロックするためのプラグインなんかもあるくらいですからね。
現在、主流となっているSNSコンテンツやウェブサイトには、複数のソースからさまざまな種類のオーバーレイが絶えず表示されます。もちろん、なかにはユーザーにとって重要な警告などもありますが、そうでないものが多くあることも事実です。
遭遇するポップアップのおもな種類
ユーザーがサイトやアプリケーション閲覧中に遭遇するポップアップのおもな種類は次のとおりです。
販売・マーケティング関連のポップアップ
セールやキャンペーン告知、ニュースレターの購読やアンケートなど。
プライバシー関連のポップアップ
クッキー、プライバシーポリシー、GDPR関連。カメラや位置情報へのアクセス、プッシュ通知などのアクセス許可に関するもの。
ブラウザやウェブに起因するポップアップ
ブラウザにインストールしたプラグインによって起動するものや、パスワードマネージャー、セキュリティ関連のもの。
ユーザーにとって数回のポップアップであれば問題がないかもしれませんが、こうしたポップアップがセッション中に何度も出てくると、体験が低下してしまうことは容易に想像できるのではないでしょうか。たとえば、あるアパレル系のECサイトでは、買い物中に上記2種類のポップアップが計3回表示されました。執筆現在は年末が近いこともあり、セールやキャンペーン関連が表示される割合が多いようです。
オーバーレイ自体が重なることも
今回の調査で、ブラウザやサイトのデザインによってオーバーレイ自体が積み重なるケースも目にしました。登録を促すモーダルに対して、ブラウザ側の位置情報許可を求めるポップアップが重なる形です。これらのオーバーレイはユーザーにストレスを与えるだけでなく、どちらか一方のコンテンツを消すまで情報を得ることができませんし、ポップアップを「消さなければならない」という心理的な負担も増幅させるでしょう。
モバイルではさらに問題になりやすい
ユーザーがスマートフォンやタブレットなど小型のデバイスを利用している場合、単純に表示領域が狭い分、重なり合うオーバーレイの問題はより悪化します。そのためモバイルのUIをデザインする際、どのように設計するかがとくに重要となるのです。