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「欲望(Desire)」で紐解く、消費者の今と未来

電通が発見した「11の欲望」とは。感覚や推理に頼らず、確度と汎用性を持って消費者の心を動かすヒント

 電通の消費者研究プロジェクト「DENTSU DESIRE DESIGN(DDD)」による連載がスタートします。ニーズよりも、さらに心の奥に潜んでいる「欲望」を可視化・体系化することを目指しているDDD。その研究の過程で得られた発見と研究成果を、本連載で紹介していただきます。初回は、現代の消費者が持つ「11の欲望」と、その発見に至るまでの様々な成果物(欲望行動モデルや欲求オクタグラムなど)を、DDDメンバーの高見憲さんに解説していただきました。

人の心の中を可視化・体系化した「11の欲望」

 私たちマーケティングに携わる者にとって、昨今、最も難しいと感じているのは「ターゲットセグメンテーション」ではないでしょうか。そう、マーケティングの基本の部分です。

 デジタル技術の発達によりニーズを持つ消費者を捉えやすくなりました。一方で、ニーズを可視化できる時代だからこそ、ニーズのさらに奥にあるもの=欲望(Desire)を捉えることが必要なのではないかと感じています。顕在化したニーズを追いかけ続けるだけでは、潜在層を捉え広げていくことは難しいからです。

 これまで私たちは、人の属性や表面に現出している行為・行動など可視化できるものでターゲットを選定し、さらにインサイトとして心の奥底を捉え、より深みのあるターゲット像を考察してきました。

 ただ、人の心を理解するのは、本当に難しい。自分の心ですらよくわからないことが多い。ましてや他人の、自分以外の人の心を理解するなんて、さらに難しいことだと感じます。

 表面に現出した情報や属性によってターゲットを分類しても、彼ら/彼女らの心の中は、必ずしも同一でないことは明らかです。

 電通の消費者研究プロジェクト「DENTSU DESIRE DESIGN(電通デザイアデザイン:以下DDD)」では、2021年から計4回にわたり実施した「心が動く消費調査」をもとに、人間の消費行動に強く影響を及ぼすドライバーを分析し「11の欲望(Desire)」として可視化することに成功しました。

 人の心の中を可視化し、それをある程度、体系化できないか? そんなチャレンジが1つの形で実を結んだのです。

 本連載では、DDDメンバーが、心の奥にあるもの=欲望を起点とした分析や考察を行うことで見つけた様々な発見をご紹介していきます。

「ニーズのさらに奥に潜むもの」を探り当てる

 現代の生活者・消費者の持つ「欲望」は複雑です。それは単一の欲求だけで成立しているのではなく、複数の欲求や想い、個々の考え方、事情、様々な背景、社会現象、環境などが絡み合い、生み出されているものだから。つまり、欲望の根源にあるもの、背景にあるものが複雑化・細分化しているからです。

 昨今、「ニーズ」や「ウォンツ」などの顕在化した需要を把握するだけでは、世の中で起きているトレンドなどの事象の本質を捉えられない状況が散見されるようになっているのも、同じ理由です。「ニーズのさらに奥に潜むもの」を探り当てることがより重要になってきたとも言えます。

 私たちDDDは、こうした問題に立ち向かうことを決意。まずは、ニーズの奥に潜む、“したい/欲しい”の気持ち、行動に駆り立てるドライバーを「欲望」と呼び、その欲望はどこから来るのかを探索する旅に出ることにしました。今回は、その旅路で見出した「欲望の生まれ方」についてお伝えします。

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この記事の著者

高見 憲(タカミ ケン)

株式会社電通 CXプランニングセンター エンゲージメントデザイン1部長 チーフ・コミュニケーション・ディレクター 電通デザイアデザインメンバープランナー、ディレクターとして各種キャンペーン企画、新商品開発、およびそのローンチ/ブランディングを多数手がける。現在はCX領域を起点とした統合プランニングに...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/09/06 12:18 https://markezine.jp/article/detail/41806

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