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注目マーケティングトピックス2025

【対談】松本健太郎から田岡凌へ「カテゴリー戦略」の理解を深める5つの質問

 2025年6月、田岡凌さんが著書『急成長企業だけが実践するカテゴリー戦略 頭に浮かべば、モノは売れる』を上梓し話題となっている。同書に関して田岡さんとの対談を提案したのは、複数の企業でデータとインサイトに基づくマーケティングを推進してきた松本健太郎さん。対談では、松本さんが田岡さんに切り込む形で、カテゴリー戦略の「そもそも論」から議論。ブランドとカテゴリーの関係性や、なぜ今カテゴリー戦略の重要性が高まっているのかについて、理解が深まる内容となった。

そもそも「カテゴリー」の定義は何なのか

松本:今日は、田岡さんの書籍『急成長企業だけが実践するカテゴリー戦略 頭に浮かべば、モノは売れる』の内容を踏まえて、カテゴリー戦略についていくつか質問をさせて下さい。

株式会社コモレビ CDO/株式会社グロースX 松本健太郎さん
株式会社コモレビ CDO/株式会社グロースX 松本健太郎さん

カテゴリー戦略に関する松本さんの疑問

1.そもそも「カテゴリー」とは?

2.カテゴリー名をシンプルに表現しつつ、独自性も示したい。どうバランスを取る?

3.必ず新カテゴリーである必要はあるのか、既存カテゴリーではなぜダメなのか?

4.カテゴリー戦略とブランド戦略の関係性、優先順位は?

5.カテゴリーの創造者がNo.1でいられるとは限らない?

松本:さて、「カテゴリー戦略」への関心が業界で高まっていますが、そもそも「カテゴリーとは何か」という大前提が飛ばされがちだと感じていました。カテゴリーとは業界なのか、界隈なのか、それとも消費者の頭の中にあるくくりなのか。田岡さんはどのように考えていますか?

田岡:カテゴリーとは何なのか、という定義の話だけで今日の対談が終わりそうなくらい、奥が深く難しいテーマですよね。「カテゴリー」は元々分類学で説かれており、その後、認知心理学、認知言語学の領域にも広がっていきました。

 長くなるので根源はさておき、近年の経営・マーケティングの文脈に落とすと、「カテゴリー=お客様の頭の中にあるもの」と私は定義しています。業界、マーケット、界隈など似た意味を持つ言葉は他にもありますが、カテゴリーは「あくまで顧客目線である」という点で異なります。

suswrok株式会社 代表取締役 田岡凌さん
suswrok株式会社 代表取締役 田岡凌さん

松本:たしかに、企業目線と消費者目線のカテゴリーは本来一致するはずですが、ズレが生じることもあります。企業目線でカテゴリーを考えるのではなく、消費者の頭の中を出発点にしてカテゴリーを創っていく。田岡さんは、これが重要と考えているわけですね。

田岡:おっしゃる通りです。企業が見ている「マーケット」と、顧客が思い浮かべる「カテゴリー」は一致しているべきですし、仮にどちらかを優先するなら、購買行動の源泉となる「顧客の頭の中」を重要視すべきである、と考えています。

 顧客目線でカテゴリーを認識できていないケースは、意外と多くあります。たとえば、経営やマーケティングにおいて、自社の市場規模を算出する時も、「そのようなマーケットは本当に存在するのか」「いくつかのカテゴリーを総称して、なんとなくマーケットと呼んでいるだけではないか」といった視点を持つことが重要で、意外とこれができていないケースが散見されるように思います。

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この記事の著者

こまき あゆこ(コマキ アユコ)

ライター。AI開発を行う会社のbizdevとして働きながら、ライティング業・大学院で研究活動をしています。
連絡先: komakiayuko@gmail.com

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/07/10 09:00 https://markezine.jp/article/detail/49375

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