伝えたいメッセージをパートナーが自ら「言っている」ことが共感を呼ぶ広告の条件
江端:ご多忙な大谷選手が今回貴社からのオファーを受けたのにはやはり貴社のフィロソフィーに大谷選手ご自身も共感したからではないかと私は感じました。堀様としてはどのようにお考えですか。
堀:おっしゃる通り、大谷選手が我々のフィロソフィーに共感していただいたことは、本プロモーションを実現する上で非常に重要なポイントだったと考えています。
ただこれは、大谷選手に限った話ではありません。当社では、プロモーションのパートナーを選ぶ際には必ず広告宣伝の契約という関係性ではなく、フィロソフィーに共鳴しているパートナーであることに重点を置いています。なぜなら、パートナーがメッセージを「言っている」のか「言わされている」のかは見ている人にはすべてわかってしまうからです。だからこそ、見る人の心を動かす広告には、共感が絶対条件であると考えているんです。
江端:本当に素晴らしいですね。単なるキャラクター起用だと見る人に見抜かれてしまうことは私もこれまでの経験で強く実感しています。特に大谷選手のどういった部分がフィロソフィーに一致したと堀様はお考えですか。
堀:大谷選手は、小さい頃から「世界でNo.1の野球選手になる」という“夢”を追いかけて、「二刀流」を彼の“アイデア”として実践し、チームやファンを鼓舞するような“情熱”を発揮してきました。こういった観点から大谷選手はまさに「dream,idea,passion」の体現者として多くの方から共感を得られる人物だと思います。
12億円以上の効果を創出、話題を生んだ大谷選手と冨田社長の対談動画
江端:2023年12月には、貴社の冨田社長と大谷選手との対談動画が公開しました。この動画は、多くのテレビ番組でも紹介され、大きな話題となりました。今回の対談企画のポイントを教えてください。
堀:あの対談動画には二つのこだわりポイントがありました。一つ目は、対談を形式的なものではなく、二人の想いがこもった内容にすることでした。そのため、本対談では第三者からの進行はあえて挟まず、二人だけでリラックスしながら深く話せるように設計しました。また、質問内容も社長が直接聞きたいことをベースに作成したので、これまであまり聞けなかったような新しいお話も引き出せたと思います。
二つ目が、2023年12月15日に実施されたドジャースの入団会見に動画の公開タイミングを合わせたことです。当然ビッグニュースと被らせることで、コンテンツが埋もれてしまう懸念もありました。しかし、本件に限っては、あえてタイミングを同じにしたことで大谷選手の内面が多く語られている動画に多くの注目が集まりました。その結果、長い期間メディアでも取り上げていただくことに成功しました。
江端:対談動画が出てからの成果はどうでしたか。
堀:PRの露出効果は広告換算値で言うと12億円以上、YouTubeの累計再生回数は200万回を超えました。加えて、11月と12月で比較すると、dipの指名検索数は2倍に伸長し、狙いであった企業認知度の向上に非常に貢献してくれました。
また、当社の社員が家族や友人、お客様から反応を多くいただいたり、サービスの販売がしやすくなったりという声も多く挙がってきており、定性的にも効果を実感しました。
さらに、大谷選手とパートナーシップを組めたという事実により、多くの社員が自社に誇りや自信を持つきっかけになりました。これは、同時に改めて社内でのフィロソフィーの浸透にもつながったため、社内に対するインナーブランディングとしても効果を発揮したと実感しています。
