戦略の「ごっこ化」には2つのパターンがある
「良かれと思った善意の判断」が実は思い込みの産物に過ぎず、そのせいで企業の貴重な予算やリソースを無駄にしてしまうこと、ブランドを余計なリスクにさらしてしまうことを、私は「戦略ごっこ」と呼んでいます。
戦略ごっこには、大きく2つのパターンがあります。
まず、戦略はファクトベースで、かつロジカルであることが求められます。ゴールも手段も事実に基づいていて、かつそれに向かってチームが一丸となれる合理的なストーリーもあるということです。
それに対して、戦略ごっこの場合はロジカルなだけ、あるいは納得感があるだけで事実に基づいていません。時々、ロジックとファクトを同じような意味で使っている人がいますが、「ロジカルだがファクトではない」ということは往々にして起こり得ます。
次に、戦略と言うからには、カテゴリーの買われ方や事業のゴールに合わせて、手段やアプローチを適切に使い分ける必要があります。それに対して、戦略ごっこに陥っている場合、目的と手段が合っていないのに、担当者本人は最適な打ち手を選択できていると思い込んでいます。本来、場合分けが必要なところを、いっしょくたに考えてしまっているのです。
なぜ、このようなことが起こるのでしょうか? 端的に言うと、マーケターの世界観や消費者の捉え方が、必ずしも現実の市場や消費者行動と合致していないからだと考えています。「XをすればYになる」と思っていても、RCT(ランダム化比較試験)や大規模なシングルソースデータでよく調べてみると「実はそんな因果関係はなかった」というケースは、枚挙に暇がありません。
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