SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2026 Spring

エビデンスベーストマーケティングの基礎

『戦略ごっこ』は次のステージへ。理論×実証の両輪から「エビデンスベーストマーケティング」の実践を


戦略の「ごっこ化」には2つのパターンがある

 「良かれと思った善意の判断」が実は思い込みの産物に過ぎず、そのせいで企業の貴重な予算やリソースを無駄にしてしまうこと、ブランドを余計なリスクにさらしてしまうことを、私は「戦略ごっこ」と呼んでいます。

 戦略ごっこには、大きく2つのパターンがあります。

 まず、戦略はファクトベースで、かつロジカルであることが求められます。ゴールも手段も事実に基づいていて、かつそれに向かってチームが一丸となれる合理的なストーリーもあるということです。

 それに対して、戦略ごっこの場合はロジカルなだけ、あるいは納得感があるだけで事実に基づいていません。時々、ロジックとファクトを同じような意味で使っている人がいますが、「ロジカルだがファクトではない」ということは往々にして起こり得ます

 次に、戦略と言うからには、カテゴリーの買われ方や事業のゴールに合わせて、手段やアプローチを適切に使い分ける必要があります。それに対して、戦略ごっこに陥っている場合、目的と手段が合っていないのに、担当者本人は最適な打ち手を選択できていると思い込んでいます。本来、場合分けが必要なところを、いっしょくたに考えてしまっているのです。

 なぜ、このようなことが起こるのでしょうか? 端的に言うと、マーケターの世界観や消費者の捉え方が、必ずしも現実の市場や消費者行動と合致していないからだと考えています。「XをすればYになる」と思っていても、RCT(ランダム化比較試験)や大規模なシングルソースデータでよく調べてみると「実はそんな因果関係はなかった」というケースは、枚挙に暇がありません。

【参加無料&要登録】リアルイベント「MarkeZine Day」に芹澤さんが登壇します! お席に限りがありますので、関心ある方はお早めに登録下さい!

『戦略ごっこ』著者 芹澤氏が解く、マーケターの無意識の「既成概念 」 STP?差別化? 鵜呑みにしていた「定石」の真実を知る40分

次のページ
負の二項分布は、日本市場にも当てはまる?シャンプー市場の分析例

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
エビデンスベーストマーケティングの基礎連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

芹澤 連(セリザワ レン)

マーケティングサイエンティスト。数学/統計学などの理系アプローチと、 心理学/文化人類学などの文系アプローチに幅広く精通。 非購買層やノンユーザー理解の第一人者として、消費財を中心に、 化粧品、自動車、金融、メディア、エンターテインメント、インフラ、D2Cなどの戦略領域に従事。 エビデンスベースのコンサルティングで...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2025/08/22 18:39 https://markezine.jp/article/detail/44832

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング