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有園が訊く!

生成AIは「真善美」を判断できるのか 村上憲郎氏が見据える、テクノロジーの進化で行き着く未来

 「ChatGPT」をはじめとした生成AIの影響は幅広い分野に広がっている。長年にわたってIT業界を支えてきたキーパーソンは、この変化をどう見ているのか。今回は、Microsoft Advertisingの事業責任者を務める有園雄一氏が、Googleの米国本社副社長と日本法人社長などを務めた村上憲郎氏と対談。生成AIの活用や量子コンピュータの実用化、そしてテクノロジーの進化の先にある未来像について話を聞いた。

AIの進化とサイボーグ化への思い

有園:生成AIブームが始まって1年以上が経ちました。今回は、AIと量子コンピュータがライフワークである村上さんに、あらためてご意見をお聞きしたいと考えています。

 まずはこの話から。以前の対談で、村上さんは何度か「サイボーグになりたい」と話していました。村上さんが本気なので、私も後を追いたいと思うようになりましたよ。

村上:サイボーグになりたいと考えたのは、(AI研究の第一人者の)レイ・カーツワイルと話したことがきっかけ。彼の研究成果を期待して待ちたいですね。また、2022年6月に亡くなったピーター・スコット-モーガンは、著書『ネオ・ヒューマン』で、難病のALSによって余命宣告を受けたことをきっかけに、自分自身を機械化するためにいろいろと実践したことを記しています。

有園:本の後半では、自分の脳をAIに接続したことで、どこまでが自分自身の考えで、どこからがAIのインプットによるものなのか、境界線がわからない感覚になったと書いていますね。

村上:彼が亡くなった後、もしかしたら今もインターネット上で人工知能として存在しているのではないか、と囁かれていますね。

株式会社村上憲郎事務所 代表取締役 村上憲郎氏
株式会社村上憲郎事務所 代表取締役 村上憲郎氏

「真」の判断も求められるように

有園:村上さんは以前、検索エンジンは情報の「真善美」を判断しているわけではない、という発言をしていました。生成AIも広がっている今、どう考えていますか。

村上:Google検索は、ページランク(重要度)によって検索結果の序列を決めています。開発当初は、正しいかどうか、道徳的に良いのか、美しいかといった判断はアルゴリズムに含めない方針でした。

 しかし、その後に何が起きたか。2016年や2020年の米国大統領選挙では、Facebookなどをロシアのハッカー集団が利用してフェイクニュースをたくさん流しました。そこで、真善美、特に「真」の判断については、プラットフォーマーにも責任があるのではないか、可能な限りやるべきではないかという風潮になりました。

 その後のGoogle検索は、正しいかどうか、つまり「真偽」も考慮され始めているのだと思います。ただし、「善」と「美」、特に美については計算が難しく、そこまでは手を付けていないと推測しています。

有園:生成AIによる価値判断については、どう考えますか。

村上:生成AIに価値判断は「できない」だろうと思っています。AIはネット上のさまざまな言説をひたすら学ぶことから始まっています。そのデータセットが魑魅魍魎になっていて、嘘や偏見にあふれているからです。

有園:私もできないと思います。一方で、「正しい」とされるデータを繰り返し教えていけば、「正しいとは何か」を数学的に学んでいくことはできるのでは。

村上:データセットをクリーンにすれば、AIが判断力を学んでいく可能性はあると思います。ただ、最終的にはヒューマンセントリックでないといけません。AIがある程度まで判断できるようになる可能性は認めますが、最終的には人間がチェックすることが必要です。

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この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

加納 由希絵(カノウ ユキエ)

フリーランスのライター、校正者。地方紙の経済記者、ビジネス系ニュースサイトの記者・編集者を経て独立。主な領域はビジネス系。特に関心があるのは地域ビジネス、まちづくりなど。著書に『奇跡は段ボールの中に ~岐阜・柳ケ瀬で生まれたゆるキャラ「やなな」の物語~』(中部経済新聞社×ZENSHIN)がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2024/03/06 09:00 https://markezine.jp/article/detail/44965

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