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BtoB企業のテレビCM、目指すべきは「ホームランではなくヒット」 事業成果につながる秘訣を紐解く

ホームランではなくヒットを狙う

 テレビCM施策を行うことで、新規事業の認知拡大と顧客獲得に成功したミスミ。北尾氏は、ミスミの事例を引き合いにBtoB企業がCM施策に取り組むメリットで最も大きいのは認知拡大の部分とし、次のように語った。

 「BtoB企業がCM施策を打つことで、商品・サービスが柔らかいものか硬いものなのか、大手向けなのか小規模向けなのか、視覚的に見せることができ視聴者はすぐにイメージを持てます。スタートアップであれば、知名度の高いタレントを起用することでインパクトあるCMになりやすくおすすめです。また、CMにはブランドの想いまで込められるのもポイントですね」(北尾氏)

 ちなみにBtoC企業の場合、完成したCM素材を関東で放映する前に地方でテスト放映し反応を測ることがある。しかしBtoBは関東近辺に顧客が集まりやすいため、地方でのテスト放映よりも関東を走るタクシー広告がお勧めだという。「多くのビジネスマンの目に留まり、予算も1,000万円程度でテストできるので効果的」と北尾氏は加えた。

 またBtoB企業はCM単体で成果を出すのではなく、ミスミのようにクロスマーケティング施策を取ることが重要だ。北尾氏は「展示会・商談・話題作り・採用などを掛け合わせることで、ROIの最大化を目指すべき」と強調した。

 「テレビCM単体でホームランを目指すのではなく、ヒットを打つイメージ。営業の武器になる、といった位置付けで捉えるといいのではないでしょうか」(北尾氏)

クリエイターとの密な連携が、良いクリエイティブにつながる

 それでは、実際にBtoB企業がCM施策に取り組む上で、効果的なCMクリエイティブを制作するために重要なことは何か。北尾氏は「クリエイティブ制作には意思疎通が何よりも大切」と語った。

 北尾氏は普段から、CM制作に入るまで徹底的に企業に伴走することを重要視しているという。週1日のミーティングを通して、商品・サービスの売り上げやユーザー数などの数字を共有し、ターゲティング、KPIなどを徹底的にすり合わせる。これにより、オリエンテーションを省いても予算感・ターゲット・狙いなどを相互に共有できた状態でCM制作に入ることができ、良いクリエイティブにつながるのだ。

 津田氏も北尾氏の意見に賛同。今回の取り組みにあたり、CMクリエイティブの制作ではクリエイターと密に連携したと振り返る。

 「クリエイターの方にも、週次のミーティングに初回から参加していただきました。メビーを使う設計者は普段どんな仕事をされているのか、メビーは設計者のどんな困りごとを解決しているのか、どんな時にメビーがあると嬉しいのかなど、事細かに情報共有するよう務めました。私たちのサービスとユーザーを深く理解いただき、結果的にとても良いCMができたと感じています」(津田氏)

 また北尾氏は、クリエイターとのコミュニケーションにおける注意点についても解説した。

 「たとえば『わかりやすくしてほしい』と企業側が注文するのはいいが、『このカットを短くしてほしい』など具体的なことには、あまり触れないほうがいいでしょう。事業会社視点だと、細かい注文や要望がつい膨らみがちです。だからこそ重要なポイントを伝えた後はクリエイターを信頼して任せることで、クリエイター側のモチベーションも上がりますので、細部のクオリティが格段に向上すると思います」(北尾氏)

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この記事の著者

太田 祐一(オオタ ユウイチ)

 日本大学芸術学部放送学科を中退後、脚本家を目指すも挫折。その後、住宅関係、金属関係の業界紙での新聞記者を経て、コロナ禍の2020年にフリーライターとして独立。現在は、IT関係を中心に様々な媒体で取材・記事執筆活動を行っています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/03 08:00 https://markezine.jp/article/detail/45177

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