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『MarkeZine』(雑誌)

第101号(2024年5月号)
特集「進化するテレビマーケティング、現在の選択肢」

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MarkeZine Day 2024 Spring

BtoB企業のテレビCM、目指すべきは「ホームランではなくヒット」 事業成果につながる秘訣を紐解く

 SNSやWeb広告などの施策が影響力を増す一方、テレビCMをはじめマスメディアの力はいまだ健在だ。しかし、BtoB企業ではCMを作る必要があるのかという疑問を持つ担当者も少なくないだろう。MarkeZine Day 2024 Springでは、機械部品のECサイトを展開するミスミの津田氏と、クリエイティブ・ディレクターとしてこれまで700本以上のテレビCMを手掛けた北尾氏が登壇。クリエイティブと戦略の両面から、事業成果につながるBtoB企業のテレビCM施策について語った。

新規事業の認知拡大のため、テレビCM施策を決断

 ミスミは1963年の設立以来、製造企業に向けて機械部品の製造・販売を手掛けている。3,000万点、800垓というバリエーションを誇るECサイトを運営しており、売上比率の半分は海外というグローバルなBtoB企業だ。

 2019年からは、機械部品調達のAIプラットフォーム「meviy(メビー)」のサービスを本格始動させた。これは、部品の設計データをアップロードするとAIが瞬時に価格と納期を提示し、注文と同時に工場へデータが転送されて機械部品を製造。発注から最短1日で出荷できるというものだ。従来、数週間かかっていた特注形状の精密機械部品などを、圧倒的なスピードでの受注生産を可能にした。

 そんなメビーのさらなる認知拡大を目指し、同社では2021年からテレビCM施策に取り組んだ。BtoB企業ながらCM施策に踏み切った背景について、プロジェクトを担当したミスミの津田氏は「メビーはサービスの特性上、これまでの部品手配とは違う、新しい部品手配の方法を広く提案していく必要がありました。そこで新規サービスとしての認知拡大、初期フェーズでの顧客獲得に課題を感じ、CMを制作することにしました」と振り返る。

株式会社ミスミ マーケティング推進室 ブランド戦略チーム チーフディレクター 津田奈都葵氏
株式会社ミスミ マーケティング推進室 ブランド戦略チーム チーフディレクター 津田奈都葵氏

CM施策のポイントは「メッセージを一つに絞る」

 同社はCMを制作する上で「誰に」「何を」伝えるかを特に大事にしたという。定量・定性(N1インタビューなど)調査を実施し、「顧客にとって最大の便益は何か」を追及することでメッセージを絞ったと津田氏は述べた。

 「事業会社側からすると伝えたいことは数多くありますが、15秒や30秒という短い時間ですべてを伝え切ることは不可能です。そこで、組み立て・装置ライン・設備設計者をターゲットにし、伝える便益も『3Dデータをまとめて1分見積もり』というメッセージだけに絞りました」(津田氏)

 その後、実際に「後輩編」「先輩編」という2本の30秒素材を制作。前者は1分見積もりについて解説し、ユーザーの理解を狙ったもの。後者はターゲットのペインを提示することで、共感を生むことを目指した内容になっている。

 CM放送後10分以内にWebサイトへ流入したユーザー数で評価を行い、その結果「後輩編」の流入ユーザー数が多かったことで、途中からはこちらに絞って放映を継続した。加えて、CM素材はYouTube広告にも活用。テロップを大きく表示したり検索窓を表示したりと、YouTube用に編集も施した。

 一方、クリエイティブ・ディレクターとしてBtoB向けのCMを多く手掛けている北尾氏は、評価基準に対して「CM放映後10分以内にWebサイトに流入という縛りはなくしてもいいのでは」と見解を示す。

 「toB向けサービスの場合、CMを見てすぐにWebサイトを見るかというと、難しい面があると思います。担当者が出社後、思い出して検索することもあるでしょう。24時間以内、1週間以内、1ヵ月以内などそれぞれデータを取得すれば、新たなインサイトの発見につながりそうです」(北尾氏)

株式会社北尾企画事務所 北尾昌大氏
株式会社北尾企画事務所 北尾昌大氏

 また、ただでさえ予算が必要なCMで、15秒ではなく30秒を選んだのはなぜだろうか。津田氏は「30秒かけてサービスの特徴までしっかり理解いただくことを重視しました。サービス認知に留まらず、利用意向までをCMで一気に目指す狙いでした」と語る。

 さらに同時期にメディア懇親会を開催し、CM放映時は製造業向けの大規模展示会の開催期間に合わせ、クロスマーケティングの仕掛けを施した。その結果、Xでのポスト数が拡大。一時期はトレンド入りも果たすなど、認知拡大につながった。また、特に中小企業の顧客層で新規ユーザーを多く獲得することに成功した。

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この記事の著者

太田 祐一(オオタ ユウイチ)

 日本大学芸術学部放送学科を中退後、脚本家を目指すも挫折。その後、住宅関係、金属関係の業界紙での新聞記者を経て、コロナ禍の2020年にフリーライターとして独立。現在は、IT関係を中心に様々な媒体で取材・記事執筆活動を行っています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/03 08:00 https://markezine.jp/article/detail/45177

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