さらに規模の小さい企業へ。その選択がもたらした成長
野崎:連続した短期離職となり、一般的にはキャリアとして黄色信号が灯ります。ただ、スキルをうまく紡いだキャリアなので、無事に転職できています。そして、次の選んだのは実名型グルメサービスを提供する「Retty」ですね。
成田:はい。アドテクノロジーへの関心は強かったので、ツールベンダーではなくメディアの立ち位置からアドテクノロジーの状況を把握したいと思い、Rettyを選びました。また、当時のRettyなら自分が入ることでインパクトが与えられる範囲も多いと感じていました。
野崎:Rettyが上場するところまで広告事業のグロースに貢献したと聞いています。2社目のときと達成感は違いますか?

成田:Rettyのときのほうが、売上に占める自分の事業のインパクトは圧倒的に大きかったです。また、これまで以上にアドテクノロジーに関する知識がないと成長させるのが難しい領域だったので、自分自身の成長にも大きくつながりました。
また、一定規模の予算があったこと、10名程度のチームをマネジメントしたことなどもあり、非常に充実していました。
充実の先に見えたキャリアの軸
野崎:マネジメントも経験し、事業インパクトを与える事業開発にも携わる。元々やりたいことは十分にできている印象なのですが、なぜ現在のAlgoageに転職されたのですか?
成田:サイバーエージェント、Rettyの2社を通じて、広告のデマンドサイドとサプライサイドの両方の視点でアドテクノロジーに携わることができたので、今度はその広告のエコシステムを活かした事業開発ができないかなと思ったんです。そこで出会ったのがAlgoageでした。
野崎:Rettyと比較するとさらに従業員規模が少なかったですよね?
成田:入社当時は正社員が10名ほどでしたね。
野崎:最初は大企業からキャリアをスタートさせ、メガベンチャーに移り、3社目4社目と転職するたびに従業員が少ない会社にどんどんシフトしていますよね。それはなぜでしょうか?
成田:僕にとって従業員規模が重要な軸ではないからですね。事業開発や戦略立案など、ビジネスの上流に携わりたいというのが軸だと気づいて、自分の持つ知識・スキルを掛け合わせてキャリアを作っていった結果が今だと思っています。
野崎:就職・転職の際、多くの場合はネームバリューやビジネス規模に目が行きがちですが、そこ以外の軸でもキャリア形成ができるということを、成田さんのキャリアから学べますね。
短期離職となってしまっても、軸がしっかりある場合はそこまでネガティブに映らないケースもあります。
また、成田さんが学生時代に打ち込んできたバスケットボールのように、自分の得意領域を見つけてスポットライトを浴びやすい環境で結果を残すことを学生時代や20代のうちに経験しておくと、30代以降に大きく差が出やすいなとキャリア設計支援をしていて感じる日々です。
成田さんのキャリアから読者の皆さん自身のキャリア形成のヒントをつかむことを願っています。
