試合を取り巻く観戦体験の魅力を伝えるために
MZ:今回の取り組みにあたりクリエイターに、りおた様を起用された背景を伺えますか。
西:Jリーグ観戦の魅力は真剣勝負の臨場感や応援の迫力など様々ありますが、試合以外の魅力も沢山あるため、そういった側面をもっと知って欲しいという狙いがありました。
Jリーグのクラブは全国に60あり、スタジアムの大きさや応援の雰囲気などクラブによって様々な違いがありますが、共通して試合の日にはスタジアム全体が「地元・地域のお祭り」のような雰囲気があります。グルメやイベントを楽しんだり、周りの広場で子供たちが走り回って遊んでいたり、クラブのマスコットと交流したり。試合が始まると、立ち上がって一生懸命応援する人、座ってご飯を食べながら見る人など、様々な方が各々のスタイルで楽しんでいます。
そういった複合的な魅力を表現し、あの空間に行ってみたいと思われるようなビジュアルを作りたく、それを表現できるクリエイターとして浮かんだのがりおたさんでした。Jリーグへの愛がある方ということと、私自身、彼のイラストを見てそれまで興味がなかったとあるエンタメに興味を持った経験があったので、オファーしました。
60クラブ分の専用ビジュアル制作の裏側
MZ:全60クラブの専用ビジュアルを用意するアイデアは、りおた様の発案だと伺いました。その意図をお聞かせください。
りおた:Jリーグを見ている層は「自分は(Jリーグというより)クラブのファン・サポーター」と考える方が多い印象です。Jリーグの投稿だけでなく各クラブからも発信できると、より盛り上がりが波及すると考えました。私自身山口県に住んでおり、地方のクラブにもお仕事などで関わってきた経験から、全国のクラブの要素を盛り込んだビジュアルをお届けできればファン・サポーターに深く刺さるのではないかと思ったのです。
そこで、ビジュアルの背景や地面を各クラブのカラーに変えたり、その地域ならではの風景を加えたりした専用デザインを全クラブ分用意するアイデアを提案いたしました。作業はハードでしたが、「Jリーグのプロモーションの歴史を変えたい」気持ちで出したアイデアでしたから、どのクラブもこだわって制作しました。

石渡:私はこの取り組みにおいて、りおたさんが作るクリエイティブのディレクションやチェックを行いつつ、Jリーグさん側の意見とすり合わせていく役割を担いました。西さんと、りおたさんでやりたいことが明確に決まっていたため、スケジュール管理と皆さんのリズムを崩さず進行する点を注意して進めていきましたね。