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Jリーグとクリエイターが語る!60クラブのファンが「つい拡散したくなるクリエイティブ」制作の舞台裏


「名物サポーター」などの小ネタが満載!拡散やUGCを促す仕掛け

MZ:クラブ専用ビジュアルの他に、ファンの拡散やUGCを促すためどんな工夫をされましたか。

西:ビジュアルの中にクラブのマスコットや関係のあるタレントさんなど、実在する方も描き込んであることです。UGCを生むためには、リアリティさや共感、発見など広めたくなる要素が必要です。この取り組みは既存ファン・サポーターに拡散いただくことで新規層にも届ける狙いがありましたから、見た方が話題にしたくなる要素やネタを60クラブ分も盛り込んでいます。

 また、新聞広告やSNSなど段階的に展開することで、色々な場でビジュアルを目にする状況を意図的に作っています。さらに、ビジュアルを作る段階で全クラブに確認を取ったり意見を伺ったりと、制作過程からクラブを巻き込んで進めました。これも、クラブのその先にいるファンまでメッセージを届ける上でのポイントだと思います。

MZ:ビジュアルに入れた60クラブの要素は、どうやって決めたのでしょうか。

りおた:西さんが最初にある程度リストを作ってくださり、私がそれを埋める形で決めていきました。その過程で知人のファンなどにヒアリングをするなど、リアルな情報を仕入れる点を意識しました。

 私自身、ときどき試合を見に行ってゆるく楽しむファンで、競技そのものだけでなくスタジアム全体の風景が大好きです。その空気感を表現しつつ、サッカーに関心がない層にも会場のお祭り感が一目で伝わるビジュアルを意識しました。

りおた:ビジュアルのスタジアムのデザインも、どのクラブ・カテゴリーのファン・サポーターにも共感していただけるような「リアルだけれど、特定のクラブに偏ったデザインでないもの」を描きました。優勝チームに贈られるシャーレの形にするアイデアは、西さんとやり取りの中で出たものです。後は遠目から見てわかりやすく、近くで見ると発見がある画面作りをしています。

石渡:私はりおたさんと西さんとの間に入り、ビジュアルのどこにどんな要素があるかを60クラブ分すべて説明できるようにしていましたね。Jリーグさん側での確認の負担を減らしつつ、ビジュアルの細かい部分までチェックしていきました。

開幕期の入場者数が過去最高に

MZ:お取り組みの成果はいかがでしたか。

西:Xの開幕ビジュアル関連の投稿は1,000万インプレッションを超え、エンゲージメントも普段の投稿の何倍にもなりました。ファン・サポーターや著名人のUGCも多数生まれた他、テレビでも紹介いただき、コンビニで新聞が売り切れて買えない地域もあったと聞きました。

 定量成果としては、複合的な要素の結果にはなりますが、開幕期の入場者数が過去最高の68万人を記録し、いいスタートを切ることができました。

MZ:最後に今後の展望を教えてください。

西:JリーグのクラブはJ1、J2、J3で全国計60クラブあります。それぞれの地域にそれぞれのスタジアムがあり、それぞれの魅力があります。ホームゲームは月に2~3試合あるので、ぜひ一度お近くのスタジアムに足を運んでいただき、生のJリーグに触れてみてほしいです。

 また、より多くの方にJリーグの生のプレーやスタジアム観戦体験をお楽しみいただきたいという考えで「THE国立DAY」としてリーグ戦を年間13試合国立競技場で開催するなど、様々なことにチャレンジしています。一人でも多くの方にJリーグ観戦に来ていただけるように、今後もJリーグの楽しさや魅力を作り上げていけるよう取り組んでまいります。

りおた:昨今、全国的に新しいスタジアムが増えていくなど、Jリーグ観戦の楽しさもますますレベルアップしており、その魅力を発信するお手伝いができて光栄でした。今後も、サッカーに限らず様々なコンテンツや商品の良さを伝えられるクリエイティブを作っていきたいです。

石渡:今回の取り組みでは、ファン・サポーターが主役だというJリーグさん側の思いを、りおたさんというクリエイターおよび各クラブとの共創によって表現できたことが大きかったと考えています。これからも、企業様の思いが伝わる取り組みのサポートをしていきます。

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この記事の著者

吉永 翠(編集部)(ヨシナガ ミドリ)

大学院卒業後、新卒で翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。学生時代はスポーツマーケティングの研究をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/05/09 10:26 https://markezine.jp/article/detail/45395

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