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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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【100号特集】24社に聞く、経営構想におけるマーケティング

苦境から回復、さらには飛躍を目指して。「お客様の実感価値」の解像度を上げるJTBのマーケティング

交流から生まれる感動・共感に「JTBの価値」を載せて発信

──「『新』交流創造ビジョン」において、マーケティングはどのような役割を果たしますか?

 110年以上の歴史のあるJTBは、国内47都道府県に385拠点、海外35ヵ国80の都市に159拠点のネットワークを構築しています(2023年3月時点)。このように広くビジネスを展開しているがゆえに、各地で素晴らしい感動や共創が起こっているのに、なかなかそれらの魅力を拾えない、世の中に伝えられないといった課題を抱えていました。

 マーケティングが果たすべきミッションは、そうした素晴らしい魅力の一つひとつをしっかり拾い上げ、世の中にわかりやすく伝えていくこと。その際、JTBの創造する価値もあわせて発信するとともに、どのようなお客様のセグメントに対して、どのようなアプローチ/メッセージで、何を伝えるかという具合に、戦略的にコミュニケーションを作っていくことも求められます。

 このミッションを加速させるため、2024年4月に全社横断のコーポレート・マーケティング部門を新設しました。この組織を各事業をつなぐハブとして機能させ、交流を通じて生まれている感動を集め、可視化しお客様起点でコミュニケーションを再設計することから始めています。具体的には、MOps(マーケティングオペレーション)やお客様ごとに感じていただきたい価値の解像度を高める仕組みの導入を検討しています。

 加えて、コーポレート・マーケティング部門では「お客様起点で考える」というマーケティング的な思考を“仕組み化”により全社共通のものにしていくことにも取り組んでいきます。これにより、各事業のマーケティング活動に一貫性が生まれ、事業間の連携も進み、マーケティングの全体最適化および費用対効果の向上を実現できると考えています。そして何より、「お客様の実感価値」への解像度を全社で高められれば、それは「『新』交流創造ビジョン」を実現するための大きな力になるでしょう。

──組織改革の一環として、マーケティング組織・人材の強化については、どのように取り組まれていきますか?

 JTBしかり日本企業の多くは、いろいろなロールを経験しながら、ジェネラリストとしてキャリアを積んでいく形をとっていますが、やはりマーケティングにはプロフェッショナルが必要です。ジョブ型の採用をはじめ、専門性を磨いていくキャリア制度をいかに会社に根付かせていくか? これは私がJTBでチャレンジしていきたいことの一つです。

 そのために、まずはキャリアを体系化することが肝になるだろうと考えています。「次にどんなポジションに就きたいか、どんな業務を担当したいか」と、次のステップを見据えることはキャリア形成において重要です。なぜなら、次のステップを見据えられると、今の自分に必要なスキルや経験、弱みや強みなどが見えてくるからです。

 また、人財育成の取り組みもいろいろ進めていますが、私がよく伝えているのは、積極的に社外とつながっていってほしいということ。マーケターとしてキャリアを積んでいく中で、やはり社外のマーケターコミュニティの存在はとても大きいんですよね。

 外から刺激を受けて自分が成長することもありますし、課題があるときにコミュニティ内で相談することで悩みを解決できることもあります。さらに、今のJTBの取り組みが発信されていく場面もあるでしょう。私自身が社外のマーケターと積極的に交流し、その意義を伝えていくことで、その意識を啓発できればと思います。

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回復〜成長から、さらなる飛躍へ

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/20 10:58 https://markezine.jp/article/detail/45409

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