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第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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顧客理解は、マクロとミクロの視点からーー化粧品ブランド「イプサ」が行う、ブランド成長のための顧客分析

ペルソナ設定、3つのメリット

 倉本氏は、ペルソナ設定の3つのメリットを説明した。1つ目は、顧客を理解できる点。特に自分自身がターゲットと異なる場合、ペルソナを設定することで、異なる背景や考え方を持つ顧客の視点を理解することが可能だ。

 2つ目は、プロジェクトメンバー間で顧客に関する共通認識を持つことができる点。これにより、施策や考え方に一貫性が生まれ、マーケティングチームの動きに一体感が増していく。

 3つ目は、業務の効率化が図れる点だ。ペルソナを通じて、自社の商品やサービスを利用する顧客がどのように判断するかを事前に検討することで、判断基準が明確になり、業務プロセスがスムーズになる。

 近年では顧客の価値観の多様化が顕在化しており、ペルソナとターゲット・セグメントの使い分けが重要になってきている。また、顧客自身も複数のアイデンティティを持っている点も見逃してはならない。

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ぺルソナをとらえるには、ミクロ視点の仮説検証が有効

 イプサは以前、詳細なペルソナを作成していたが、現在はグローバル市場での購入者の共通価値に基づいた簡略化したペルソナを設定し、それに加えて用途に応じたペルソナ設定を加えるように変化した。

「ブランド全体の共通の価値観を核とし、逆に尖った個別のサービスや商品を考えるときに、改めてそのペルソナ像を設定。明確にすることで、より施策を打ち出しやすくしています」(倉本氏)

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 これにはミクロな視点からの分析と顧客への直接聞き取りをする必要がある。ペルソナ作成後も、顧客理解は継続的なプロセスであるため、思考を停止せずに常に客観的な視点で顧客を理解し続けることが重要だ。

 「ブランディングにおいて、顧客理解は欠かせないものだと思います。売上を作る上でのマーケターとしても顧客理解を深めていくことが重要です。様々な施策を組み合わせて実施する際に、時には整合性が取れなくなることもあります。そのため、目の前の事象にとらわれず、長期的な視点からお客様を見ていくことが、重要だと考えています」(倉本氏)

 最後に田中氏は、ミクロな視点での仮説検証に役立つKnowns Bizの機能「カジュアルリサーチ」について説明した。これは、仮説に基づく質問を設計し、数百人規模の調査を短時間で実施できるものだ。調査結果は数時間後にはデータ化され、結果も自動でビジュアル化される。「1,000人規模の調査であっても数万円~と手軽でリーズナブルに行えます。みなさまの顧客理解や仮説検証にお役立ちできれば」と話し、セッションを締めくくった。

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

 就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・翻訳ツールなど...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:ノウンズ株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/26 11:00 https://markezine.jp/article/detail/45412

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