スポンサーとクラブ両方のことを好きになる取り組みに昇華する
平地:今回は3クラブで立体的な取り組みを行い、成果の出たスポンサーアクティベーションとなりましたが、今後の改善点はありますか。
森:アイ・テックのことだけでなく、今回一緒に取り組みを行った3クラブについてもっと知ってもらう時間を作りたいと思いました。当社のファンになっていただくことがインターンの一番の目的ですが、スポンサーをしている3クラブのことも好きになってもらうことで、より大きな成果が得られる取り組みになると考えています。
また、新卒で入社いただく方の多くは営業職からのスタートになるのですが、インターンの内容もあってか広報やマーケティングを志望して応募する方も一定数いました。実態とのギャップがあるので、内容の改善は必要だと感じています。
佐藤:今回は採用目的の取り組みでしたが、従業員満足度を上げる取り組みもご提案できたらと考えています。アイ・テック様は600名以上の従業員の方がいらっしゃいますので、皆さんにスタジアムにきていただいて、熱狂的な体験をしていただきたいです。
平地:従業員満足度を上げる取り組みは会場を上手く使えばできそうですし、その様子をコンテンツ化すれば採用やコーポレートのブランディングにつなげられそうです。
ベルテックス静岡の岩永さんは、次に向けてどのような提案をしたいですか。
岩永:インターンに関しては、参加する学生に特別な体験を提供したいです。たとえば、会場の演出を一緒にプロデュースして、演出に登場いただくと言ったことも可能だと思います。また、佐藤さんと同様に従業員満足度を高めるイベントとして、会社のイベントや入社式をアリーナで行うなど、ベルテックス静岡を通じて社員同士のコミュニケーションが生まれるサポートができたらと考えています。
スポンサーは会社のブランド力を高める
平地:最後に、社長の大畑さんから経営者の目線でスポンサーアクティベーションに取り組むメリットをお話しいただけますか。
大畑:スポンサーを長期的にしていると、企業のブランド力が上がったと実感できます。通常では接点を持てない方にもアイ・テックのことを知ってもらえますし、試合に行くとサポーター・ファンの方から声をかけていただくこともあります。
また、ユニフォームのスポンサーをしていると、自社のロゴの入ったユニフォームを全国のファンの方に来ていただけますし、それだけ影響力の会社であることが社員にも伝わり、帰属意識が高まります。
平地:ブランド力が上がっていると社長自身が実感されているからこそ、複数クラブのスポンサーができているのですね。
大畑:スポーツ観戦が好きなビジネスパーソンも多いので、実際にスポンサーをしていることがきっかけで生まれた仕事もあります。使い方次第ですが、プラスな側面が多いと思います。
平地:今回の取材では、経営者の方からスポンサーシップを行う意義をうかがうことができました。これだけの取り組みができているのは、森さんが目的に合わせた最適な企画を立案していることが大きいと思うので、ぜひMarkeZine読者の方も今回の事例を参考にしていただけると嬉しいです。皆さん、ありがとうございました。