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第106号(2024年10月号)
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世界中のマネジメント層に精緻なターゲティングでリーチ、商船三井が実感する「LinkedIn」の優位性

 世界で10億超のビジネスパーソンが利用している「LinkedIn」。ビジネスパーソン同士によるプラットフォームであるという特性から「BtoBマーケティングに有効なメディア」という一面も持ち、グローバルで広く活用されている。本企画では、LinkedIn広告を活用してブランディング活動を行っている商船三井を取材。LinkedInだからこその特長、特に日本から世界へフィールドを広げていきたいと考えている企業にとってどのような有用性があるのかを探っていく。

創業140周年、商船三井がブランディングを強化する背景

MarkeZine編集部:本日は、商船三井のブランディング施策について伺いたいと思います。はじめに、商船三井の事業概要についてお聞かせください。

園田:商船三井は、海運業を中心に様々な社会インフラ事業を展開している会社で、今年で創業140周年を迎えます。800隻を超える世界最大級の船隊を運航する総合海運企業として、世界の海上輸送の一翼を担っていると自負しております。

株式会社商船三井 執行役員 チーフ・コミュニケーション・オフィサー 園田早苗氏
株式会社商船三井 執行役員 チーフ・コミュニケーション・オフィサー 園田早苗氏

 ご存知ない方も多いのですが、実は海上輸送は、日本の貿易の99%以上を占めています。陰ながらではありますが、生活者の皆様の暮らしや産業を支えているのが海上輸送です。しかし、事業の特性上、皆様に身近に感じてもらうことが難しいという課題を感じていました。

 私たちの想いや目指していることを届けていきたい――このような考えから、近年ブランディング活動にも力を入れています。

BtoBは95%が潜在顧客、認知獲得を筆頭としたブランディングを行う意義

MarkeZine編集部:商船三井がBtoBマーケティングでターゲットとするのは、どのような方になってくるのでしょうか?

園田:我々がブランディングおよびマーケティングでターゲットとしているのは、国内外にいるグローバル企業のマネジメント層です。この方々へのリーチを拡大することで、新しいビジネスチャンスを掴みたいという目的が前提としてあります。

 また、当社のブランディング施策はまだスタートラインに近いところにあるため、認知からのCVというよりは、「ターゲット層における認知拡大・理解促進」というアッパーファネルの向上を中心に考えています。

MarkeZine編集部:ターゲット層における認知拡大を図る際、どのような情報・ブランドイメージを伝えるようにしていますか?

園田:ブランディングで入り口としているのは、サステナビリティに関する当社の活動です。環境問題の解決や脱炭素社会の実現に向けて取り組むことは、海運会社である私たちにとっても大切な役割であり、社会の皆様との共通課題でもあります。ブランディング活動では、商船三井グループのサステナブルアクションである「BLUE ACTION MOL」をPRコンセプトとし、メッセージやクリエイティブを展開しています。

 こうしたブランディング施策の目的や課題を踏まえ、当社ではLinkedInを活用したブランディング活動をスタートすることにしました。既に、グローバル規模でターゲティングも加味したコミュニケーションを実現できています。

MarkeZine編集部:BtoBマーケティングにおいては、営業や成約に直結する施策を重視する傾向があります。LinkedInのアンダーソンさんは、BtoB企業のブランディング活動の重要性をどのように考えられますか?

アンダーソン: BtoBの購買においては、検討段階に入っている顧客層(In Market)は購買の可能性がある層のうち僅か5%です。一方、まだ検討のステージに入っていないが将来、購買のポテンシャルがある層(Out of Market)は95%と言われています。そのため、BtoB企業は情報発信、特にブランディングが重要でターゲットにアプローチする際は、商船三井様のように、新規顧客を常に想定することが大切だと考えます。

出典:「The B2B Instituite」
出典:「The B2B Instituite」

BtoBに特化しながら、1st Partyの精緻なターゲティングが可能

MarkeZine編集部:商船三井も活用している、LinkedInのマーケティングソリューションについて伺います。まずはLinkedInがどういったプラットフォームなのか、お聞かせいただけますか?

アンダーソン:LinkedInは、世界200以上の国と地域に10億人以上のメンバーを有するプロフェッショナルネットワークです。企業、経歴、スキルなどビジネスに関する情報が公開されているため、仕事やキャリアに役立つ情報や学びを得る場として使われています。そのため、LinkedInはメンバーや企業がビジネスにおけるビジョンを共有でき、新しいネットワークの構築や協業の可能性を追求することができるプラットフォームになっています。

リンクトイン・ジャパン株式会社 セールス・マネージャー マーケティング・ソリューションズ アンダーソン・ジョン氏
リンクトイン・ジャパン株式会社 セールス・マネージャー マーケティング・ソリューションズ ジョン・アンダーソン氏

 その他、企業には広告出稿の場としても活用いただくことが可能です。実際、LinkedInのマーケティングソリューションは、認知獲得やリード獲得などおよそ90%がBtoBマーケティング目的で活用されています。

MarkeZine編集部:BtoBマーケティングで活用する際、LinkedInにはどのような特徴・優位性がありますか?

アンダーソン:LinkedInの強みは、ファーストパーティのターゲティングデータを活用できることです。国や企業、役職、職種などのセグメントで細かくファーストパーティターゲティングした上で、世界中のメンバーを対象にコミュニケーションを展開できます。また、ユーザーは実名登録を前提としているため信頼性が高く、安心安全な環境で広告配信を行っていただくことが可能です。

 さらに、ブランディングからリード獲得まで、フルファネルの施策に活用できることもLinkedInの特長です。商船三井様のようにリーチや認知拡大、理解促進などアッパーファネルの施策だけでなく、サービスや製品の具体的な紹介、ダイレクトなコミュニケーションなどコンバージョンに近い領域をカバーする施策まで、幅広い目的・課題で活用いただけます。

MarkeZine編集部:カバーする領域の広さは、圧倒的なユーザー数を有するプラットフォームならではですね。施策の効果測定については、どのように対応していますか?

アンダーソン:LinkedInではBtoBマーケティングに適した効果測定が必要だと考えています。つまり、検討から購入までに非常に長い時間がかかる、購買決定に複数の人が関わる、あるいは特定の企業リストへのコミュニケーションが重要といった、BtoBマーケティング特有の難しさ、課題を加味した効果測定をフルファネルで行うことが必要かつ重要だと考えています。

 そのために、効果測定のためのソリューション群を全てのファネルの段階で提供しています。たとえば、ブランド認知目的のキャンペーンでは、LinkedIn独自のブランドリフト調査を活用することができます。さらに、広告活動の売上への寄与を確かめられるレベニューアトリビューションレポートを用意しており、CRMとLinkedInの広告活動を連携させると、LinkedInへの投資が実際の売上に繋がっているかを可視化できるようになります。

LinkedInの動画広告でより高い効果を出す方法

MarkeZine編集部:では、実際に商船三井がLinkedInをどのように活用しているか、詳しく教えてください。

園田:現在は動画広告をメインに、業界・役職・職種・国などのセグメントで、主にマネジメント層にリーチする広告を展開しています。あわせて、オーガニック投稿によるコンテンツも拡充中です。プラットフォームを活用する際は、「広告×コンテンツ」の両輪で回すことが大事と考えているため、コンテンツの改善にも注力しています。

商船三井のLinkedIn広告,、クリエイティブのイメージ
LinkedIn広告のクリエイティブのイメージ

MarkeZine編集部:LinkedInで広告を展開する中で、「より効果が出やすくなるクリエイティブ」など、傾向やポイントは掴まれていますか?

園田:特にアッパーファネルにおいては、人やストーリーの要素を強く出すと広告効果が高くなる傾向にあることがわかっています。また、社名想起率を高めるためには、動画のどのシーンを見ても、社名・ロゴ・ブランドカラーがわかるようなクリエイティブにする必要がある、という学びもありました。他にも、クイズ形式などインタラクティブなコンテンツも有効でした。

アンダーソン:LinkedInに限らず業界全体で、動画広告はブランディングにおけるメジャーな手法となっており、プラットフォーム側での開発が進んでいます。LinkedInでは「LinkedIn Audience Network」や「LinkedIn Connected TV(CTV)」のようなネットワークも拡大しており、LinkedIn外でもLinkedInのファーストパーティターゲティングを活用しながらリーチを拡大することが可能です。

園田:これまで活用してきて実感しているのは、LinkedInはコミュニケーションの質が安定していること、そしてPDCAを回しながら次につなげていきやすいことです。しっかりとターゲットのセグメンテーションをした上で効果的な広告を出稿し、効果計測もできるので、良い循環が構築されていると思います。

グローバル規模のブランディングでも、効果をリアルに実感

MarkeZine編集部:継続的にLinkedInでのブランディング施策を行ってきて、現在までにどのような効果が得られていますか?

園田:2020年3月からLinkedInの活用をスタートし、現在はアカウントフォロワー数が10万人に到達しようとしています。「フォロワー数の増加=リーチ拡大」と考えられるので、ファンを増やすことができている実感があります。ただ数が増えているだけでなく、ターゲットとしているグローバルのマネジメント層にもリーチできているため、最大の目的は達成しつつあると考えています。

 海外における認知拡大、しかもBtoB事業となると、砂漠に水を撒くことのように感じる企業様も多いのではないでしょうか。私たちがこのように結果を出せているのは、やはりグローバル規模で細かなターゲティングが可能なLinkedInを活用しているからだと思います。

 また、LinkedInブランドリフト調査の結果、ブランド認知の向上につながっていることもわかっています。実際に、営業担当が営業をしなくても「LinkedInを見ましたが、商船三井はこのような活動をしているんですね」など、投稿をきっかけにクライアント企業とのコミュニケーションが広がっているといった声も聞こえてきています。

MarkeZine編集部:ブランディング目的の施策で、リアルに効果を実感できているのは、素晴らしいですね。

園田:ええ、社員間でも「あの投稿見たよ」と話題になるなど、社内におけるエンゲージメント向上も実感しています。会社の規模が大きくなるにつれエンゲージメントを強化する大切さを感じていたので、これもまたポジティブな結果と捉えています。

ブランディング活動はまだまだこれから、マーケ筋力をつけていきたい

MarkeZine編集部:現在のLinkedInでのブランディング活動をどのように発展させていきたいですか?

園田:当社のブランディング施策は、まだまだこれからという自覚があります。アカウントフォロワー数を現在の2倍、3倍と増加させることを目指しながら、分析力やオペレーション力を向上させ、充実したコンテンツを提供できる筋力をつけながら、より施策に注力していきたいと考えています。

アンダーソン:LinkedInは「世界で働くすべての人のために、経済的なチャンスを作り出す」というビジョンのもとに、人材、マーケティング、営業における法人サービスを展開しています。特に強みを持っているのが海外向けのコミュニケーションの領域です。企業価値の向上や売上に貢献できるブランディング、マーケティング活動を可能にするソリューション(広告/インサイト)を企業や公共機関向けに提供しています。

 皆様の企業が海外でさらに活躍できるよう、尽力したいと思っておりますので、お気軽にご相談ください。本日はありがとうございました。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:リンクトイン・ジャパン株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/07/30 12:00 https://markezine.jp/article/detail/45688