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MarkeZine Day 2025 Retail

ブランドは気まぐれな消費者とどう向き合うべきか?

現代の消費を紐解くキーワード:リキッド消費/トキ消費/応援消費/界隈消費/消費の好循環/パルス型消費

5.心が動く消費には“次”がある!「消費の好循環」とは

心が動く消費の好循環が次の消費を生む

 みなさんは、「センスの良い短パンを買ったらそれに合うサンダルが欲しくなった」というように、「ある買い物から付随して新たな買い物意欲が高まる」といった経験をされたことはありませんか?

 何かしらの消費をした後、さらに消費欲が刺激されたり、違う欲望が表出したりして、さらなる消費へと向かっていく。実は我々の中には、このような「循環的な消費行動」のメカニズムが存在しています。

 電通の消費者研究プロジェクトチーム・電通デザイアデザインでは、「心が動く消費体験が次の消費につながり、その消費は生活に潤いを与える。結果的に、ウェルビーイングな消費を生み出す原動力になる」という理論のもと【消費の好循環】に着目し、調査研究を行っています。このときの消費類型は、次のとおりです。

・単発消費:心が動いて消費したが、その後の消費意向に影響を与えないパターン

・好循環消費:消費により心が動き、また次の消費意欲が掻き立てられたパターン 

 →リピート消費:心が動く消費をし、また同じものを購入したくなったパターン  

 →派生消費:心が動く消費をした結果、そこから派生したもの、あるいは一見まったく関係のないものを消費したくなったパターン

消費の好循環は消費者にとっても、企業にとっても大きなメリット

 実際、弊社実施の定点調査を分析すると、単発で終わってしまう消費は、消費者にとっても、企業にとってもメリットが少ないことがわかっています。要点だけご紹介すると、次のような傾向が見えています。

  • 単発消費で終わってしまうと、消費者側の意識としては気持ちが前向きになりにくい。また、企業やブランドに好意を寄せる可能性も低くなる。
  • 好循環消費層のほうが、心が前向きになりやすく、かつ企業やブランドへの好意が高まりやすく、企業にとって有望な消費者になってくれやすい。さらには、単発消費層<リピート消費意向層<派生消費意向層の順で、消費に意味・意義を持たせたい、消費に実感値を持ちたい、サステナブルな消費をしたい意向が強いという特徴がある。

 このように消費の好循環を紐解いていくと、総じて、購買の前後で消費者の心を動かすような仕掛けが非常に重要であることがわかります。そうした施策は、消費者の“能動的な”消費を促し、エンゲージメントを築くことにもつながっていくのです。

電通デザイアデザイン
立木 学之氏

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6.認知~購買を一瞬で行う、現代ならではの「パルス型消費行動」

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MarkeZine(マーケジン)
2024/07/16 09:30 https://markezine.jp/article/detail/45861

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