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テレビCMのクリエイティブ制作工程が約三分の一に ハイセンスジャパンが活用した“注視データ”とは?

「良いクリエイティブ」の基準を定量データから導く

MZ:注視データを活用してどのようにクリエイティブ改善を行ったのでしょうか?

福島:当社では、テレビの上に人体認識センサーを設置することで、テレビCM放映時のテレビ前での視聴者の滞在や視聴有無などといったデータを収集しています。

REVISIO株式会社 エキスパートカスタマーサクセス 兼 シニアプロダクトマネージャー 福島 江里奈氏
EC運営企業やアパレルのマーケティングコンサル企業などを経験後にREVISIOに入社。現在はカスタマーサクセス担当として、ユーザーからの相談に基づきデータ分析に当たりながら、プロダクト開発にも従事

福島:今回は、そのデータを基に、視聴者に見られやすいテレビCMの傾向を分析しハイセンスジャパン様のテレビCM制作に活用しました。

 この分析に活用したのが、テレビCMのクリエイティブを評価する「Cスコア」です。Cスコアは、「枠ではなくてクリエイティブのパワーを可視化する」ことを目指して設計した当社独自の指標で、該当テレビCMの注視率を放送時の同時間帯・同枠の全テレビCMの注視率平均と比較して算出しています。

 このCスコアをクリエイティブ制作時に活用し、「見られたいシーンで注視を獲得すること」「毎秒のCスコアを高めること」「過去CMよりも注視を獲得すること」の三点を目指してアドバイスを行いました

MZ:具体的にはどのようなアドバイスを行ったんですか?

福島:具体的には2回のフェーズに分けてアドバイスを行いました。1回目は企画コンテの段階にて広告会社からの提案シートなどを拝見し、見られやすさや視聴者への受け入れられやすさといった観点で改善案を共有しました。なお、この時にはハイセンス様と同様にタレントを起用している企業や石橋さんの印象に残ったテレビCMを複数ピックアップし、注視の傾向を分析しました。

 2回目は演出フェーズにて絵コンテを拝見し、より注視されるクリエイティブにするためのアドバイスを行いました。この時にはかなり細かい部分について言及しており、視聴者に躍動感を感じてもらうための効果音の入れ方や、タレントによる感嘆詞の有無、画面の明るさなどについて注視データを基に意見を出しました。

テレビ 「my new life」篇のワンシーン
テレビ 「my new life」篇のワンシーン(画像クリックで視聴することができます)

石橋:クリエイティブの良さの基準がデータで明らかになったことには大きな価値がありました。企業として大きな予算を使う以上、マーケティング責任者の感覚だけで周囲を説得するのには限界があるためです。

 また、演出についても、従来であればクリエイターに任せきりになってしまうことがほとんどでしたが、客観性のある注視データが共通言語となってくれたおかげで、制作中のコミュニケーションを有意義に進められるようになりました。

認知度が13%向上、制作工程は従来の約三分の一まで短縮

MZ:注視データ活用後のテレビCMの効果について教えてください。

石橋:Cスコアが以前より大幅にアップしました。平均Cスコアは前回のテレビCMから約10%上昇して107ptとなり、ターゲット層に限定すると約20%上昇して113ptに向上させることができました。また今回のテレビCMをYouTubeでも展開したところ、完全視聴率で過去最高値を出すことができました。

 加えて、テレビCMオンエア中の3月〜5月は当社のテレビの売上も上昇しています。これはテレビCMだけの効果ではありませんが、テレビCMのタイミングに合わせて、デジタル広告を集中的に行ったり、店頭に配架されるように営業が動いてくれたりと、テレビCMがマーケティングミックスのトリガーになっていることが大きいと感じています。

 制作プロセスの部分では、データを用いたことにより納得感を持って進められたことで、企画や演出のやり直しがほぼなくなりました。そのため、前回と比較して制作工程を三分の一程度まで短縮でき、制作期間自体も非常に短くなりました

次のページ
投下量が四分の一でも同じ効果?注視の含有が分かれ道に

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:REVISIO株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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2024/07/24 12:00 https://markezine.jp/article/detail/46007

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