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第106号(2024年10月号)
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各ファネルでのインフルエンサー活用術

ブランド認知を向上させるインフルエンサーマーケの手法とは?二つのチェックポイントを紹介

 多くの企業がインフルエンサーマーケティングを取り入れるようになった昨今。一方で、ファネルごとの適切な起用や施策設計を理解できていない企業も少なくありません。本連載では、インフルエンサーマーケティングの支援を専門的に行うAnyMindが、消費者行動の各段階に合わせたインフルエンサーマーケティングを具体例とともに解説。第1回となる本稿では、ブランド認知の段階でのインフルエンサー起用を解説します。

消費者は、自分の関心に合わせて情報を受け取れるように

 消費者行動が変化し続ける中、企業には生活者の文脈に寄り添い、消費者にメッセージを自分ごと化してもらうことが求められています。そのための手法の一つとして現在重要視されているのがインフルエンサーマーケティングです。インフルエンサーマーケティングは、ブランド認知から購買意欲の喚起まで消費者行動のあらゆる段階で効力を発揮します。

 第1回である今回は、そんなインフルエンサーマーケティングをブランド認知に役立たせる方法を紹介していきます。

 まずは現在の消費者行動を理解するため、2000年以降のブランド認知における消費者行動の変遷を見ていきましょう。

【クリックすると拡大します】

~2000年:マスメディア広告時代

 2000年初頭までは、テレビ、ラジオ、新聞といったマスメディアが広告における主流のブランド認知獲得の手段でした。広告は企業からの消費者への一方的なメッセージだったため、消費者は受動的に情報を受け取っていました。広告の効果は視聴率や発行部数に依存しており、広範囲にリーチすることが最も重要視されていました。

2000年~2010年:インターネット検索時代

 インターネットの普及にともない、消費者は自ら情報の検索ができるようになりました。特にGoogleの登場により、消費者は簡単に製品情報の取得が可能に。一方、企業はSEO対策を強化し、検索結果の上位に表示されるようなマーケティング手法に変化していきました。

2010年~2020年:スマートフォン/SNSの普及

 スマートフォンとSNSの普及により、口コミやリアルな体験談が重視されるようになりました。消費者はSNSを通じて他者の意見や評価を参照し、自身の購買行動に反映させるように。企業には、消費者との間で双方向のコミュニケーションが求められるようになったため、多くの企業がユーザーのエンゲージメントを高めるためのSNS戦略を練るようになりました。

2020年〜2024年:コロナ禍による巣ごもり需要とECの普及

 新型コロナウイルスの感染拡大により、人々の生活様式は一変しました。外出自粛や在宅勤務の増加にともない、自宅での情報収集やコミュニケーションを求めてSNSの利用が急激に活発化。企業もこの変化に対応し、ライブコマースやインフルエンサーマーケティングなど、SNSを活用した新たな販売戦略を展開しています。ECサイトとSNSの連携も進み、ソーシャルメディアが大きく成長しました。

2024年~:AI普及と多様化

 AI技術の進化により、消費者一人ひとりに対してパーソナライズされた情報の提供が可能になりました。各サービスのアルゴリズムは個々のニーズに適した情報を提供。消費者は自分に関連のある情報を受け取れるようになりました。これにより企業によるマーケティングの精度が向上し、消費者の購買意欲向上にもつながっています。

消費者の生活文脈と商品を紐づけることが大切

 生活者の購買行動は時代の変化にともない大きく変化し、それに合わせてマーケティング手法も大きく変化してきたことがわかりました。

 各企業が変化する消費者のニーズを満たすために競争するようになった一方、商品のコモディティ化が進行し、単に商品の特徴を伝えるだけでは消費者の関心を引くことが難しくなってしまいました。商品の差別化要素よりも、消費者の生活文脈に紐づけて「自分ごと化」させることが重要になっています。

 この点で、インフルエンサーマーケティングは非常に有効です。インフルエンサーを通じて、商品の使用例や生活シーンを具体的に示すことで、消費者に商品をより身近で魅力的なものに感じてもらうことができます。その上、インフルエンサーが自らの使用体験を活かして商品の価値を伝えることで、消費者の生活文脈と商品を紐づけ、深い共感と関心を引き出すことが期待できます。

 たとえばエナジードリンクにおいても、消費者の生活文脈の中では複数の接点が存在します。より結びつきの強化を図りたい接点を、商品ごとにインフルエンサー投稿を通じて描くことで消費者が持つインサイトを顕在化することができます。

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インフルエンサーの投稿を自分ごと化してもらうための二つのチェックポイント

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この記事の著者

藤田 翔大(フジタ ショウダイ)

AnyMind Japan 執行役員兼ブランドコマースマーケティング事業部長

 新卒でAnyMindに入社し、タイ・ベトナムオフィスの立ち上げを経て、日本オフィスのインフルエンサーマーケティング事業部長に就任。コスメや日用品などの大手消費財メーカーを中心としたインフルエンサーマーケティングに携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/08/30 09:00 https://markezine.jp/article/detail/46037

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