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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

社会価値創出につながる事業推進の在り方とは?

自社の資産を“人材”と定義しアクセンチュアが注力する企業市民活動 事業成長と両輪にする仕組みを聞く

長期的な成長を目指すなら、事業価値×社会価値創造の推進は不可欠

――最後に、事業価値×社会価値の創造をどう両輪で動かしていくか悩まれている企業に向けてアドバイスをお願いします。

 多くの企業が経営理念やビジョン、ミッションの再構築を通じて、事業価値×社会価値の創造を両輪で動かしていくことへ舵を切り始めていると感じます。実際、そのような方向に進化したいとお声掛けいただき、コンサルティングを提供しているクライアントもいます。

 しかし、本業の強みと社会的価値創出をどう調和させるかという段階で課題に直面している企業も少なくありません。社会貢献というと相手のニーズを捉えようとするスタンスになりがちですが、まず自社の強みを再評価することから始めるほうがよいと思います。

 また、実現するためには現行の本業にはない評価制度の導入を検討する必要もあるでしょう。事業価値は売上や利益といった数字で測ることができますが、社会価値はそういった数字だけでは正確に評価できないことが多いためです。

 たとえば、これまでは主に高い売上を上げる人材を高く評価してきたのであれば、温室効果ガス排出量の削減に貢献した人材も同様に評価する必要性が出てくる可能性もあります。事業価値×社会価値の創造を両輪で動かしていくためには、評価軸の多様化が求められるのではないでしょうか。

 ビジネスモデルも同様です。従来の売り切り型ビジネスから、サーキュラー・エコノミーのようなサービス提供型ビジネスへと変えていく企業も出てくるかもしれません。

 あるいは、製品自体の価値は今後もそのまま引き継がれたとしても、それらを売ることに関する従来の手法、たとえばこれまで培ってきた成功体験や、高い売上を実現したキャンペーン戦略などは再考する必要があるかもしれませんよね。このような変革は短期的には困難をともないますが、長期的な成長を目指す企業にとっては不可欠だと考えます。

 アクセンチュアが推進する「Skills to Succeed」も、人々のスキル向上を図るという点から、必ずしもすぐに結果が出るような活動ではありません。長期的な視点を持って取り組み続けることで、社会に確かな変革をもたらしていきたいと考えています。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/09/11 19:20 https://markezine.jp/article/detail/46053

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