2024年3月、電通「11の欲望」がアップデート
DDDは、今年3月に「11の欲望 2024年版」を発表しました。MarkeZineの月間ニュースランキングで1位になるなど、マーケターの皆さまに高い興味関心を寄せていただいているようです。
2024年版では、11ある欲望のうち6つの欲望に変化がありました。11種類という枠組みは変わらない中で、それぞれ何を理由に、どのような変化があったのでしょうか。
今回は、この数年で消費者の欲望がどのように変化したのか?を掘り下げていこうと思います。
「11の欲望」が発表されたコロナ禍は、特殊な状況だった
変化した6つの欲望について触れる前に、より広い視野で、欲望の変化を取り巻く昨今の社会背景をおさらいしておきたいと思います。
DDDが「11の欲望」を公表したのは2021年でした。当時は、コロナウイルスの第3波や2回目の緊急事態宣言の発令があったタイミングで、まさにコロナウイルスが猛威を振るっていた時です。ワクチン接種が始まり、ウイルスとの共存を社会全体でみんなが模索し始めた頃でもありました。
「いつもと違う」特殊な状況に適応するために、リモートワークやオンライン会議、オフピーク通勤、黙食など、色々な社会システムや慣習が変わっていったことは、みなさんの記憶にも新しいはずです。また、消費者一人ひとりにおいても、やむを得ない状況にアジャストしながら暮らしを楽しむこと、自分を磨くことに価値を見出し、毎日を前向きに過ごすような行動が目立っていました。
そこから少しずつ解放され、生活や消費が活発になっていく中で、消費者の欲望は安直にコロナ禍に戻るのではなく、“アップデート”していったようです。
今回「11の欲望」を見直す中で見えてきたのは、コロナ禍で培った趣味やスキルの運用傾向が高まっているということ。たとえば、趣味やスキルを通じて仲間や社会と繋がり、何かしら貢献することで、自らの新たな価値を実感したいといった欲望が浮き彫りになりました。
では11の欲望のうち、変化した6つについて、実際の「心が動く消費」調査の自由回答とともに見ていきましょう。