「KOSÉ公式アカウント」とは? 役割と運用体制
──本日は「KOSÉ公式アカウント」の運用戦略について伺いたいと思います。まずは、このアカウントがビジネスにおいてどのような位置づけにあるか教えてください。
津野:「KOSÉ公式アカウント」は、INFINITY(インフィニティ)/ONE BY KOSÉ(ワンバイコーセー)/ESPRIQUE(エスプリーク)の3ブランドの情報を発信しており、商品認知や理解促進、ユーザーの方々とのコミュニケーションに重点を置いて運用しています。
Instagram(@kose_official)とX(@koseofficial_jp)で運用していますが、どちらも一方通行の発信にならないよう、ユーザーの方たちとのコミュニケーションを意識した投稿を心がけています。これにより、良質なUGCの蓄積にもつながっていくことを期待しています。
──運用体制はどうなっているのでしょうか。
片貝:以前はブランド事業部には所属しないSNS専門のチームが存在していました。しかし、企画からプロモーション、宣伝まで同じ目線で発信するために、2023年1月にブランド事業部に統合されました。この新たな体制により、SNS担当者とブランド担当者のコミュニケーションが今まで以上にスムーズになり、より一体感のある、効果的なブランド戦略の展開が可能となっています。
基盤の整ったアカウントを、さらに成長させるには?
──「KOSÉ公式アカウント」は、2024年1月から運用や投稿の見直しをされたと伺っています。背景をお聞かせください。
津野:従来の運用手法が悪かったわけではありません。投稿一つひとつのリーチやエンゲージメントの数値は高く、既に基盤が整っている良質なアカウントだと思います。ただ、そこからより良くするためにはどうすればよいかと考えたとき、手法の見直しが必要という考えに至りました。
特に大きく変更したのはInstagramです。以前の「KOSÉ公式アカウント」は3つのブランドの情報を、各ブランドがお客様に情報を知っていただきたいタイミングで投稿していました。これにより3つのブランドの世界観が混在する状況が生じる可能性がありました。
フィードに流れてくる投稿を見る分には問題ないのですが、たとえばONE BY KOSÉの商品に興味を持ってアカウントを訪れてくださった方が、必要な情報を容易に見つけられないという問題がありました。そこで、お客様の利便性向上と各ブランドの世界観をより明確に伝えることを目指し、投稿方法を変更することにしました。
片貝:中長期的なブランディングの観点から改善の余地があったと思います。お客様にとって使い勝手の悪い状況は短期的な数値には表れにくいですが、長期的にはブランドイメージの低下につながる可能性があります。ブランド価値を重視する観点から、情報の整理と明確化を開始しました。