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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Autumn

「実践企業に学ぶ オウンドメディア成功の秘訣」イベントレポート

「働く姿をイメージしやすく」mercanの編集長に聞くオウンドメディアで採用に貢献する秘訣


定性効果も可視化してともに価値を作る

━━一般的にオウンドメディアは長期的な取り組みになるので、効果測定が難しいというお話をよく聞きます。メルカンでは、どのように効果を測定されているのでしょうか。

 確かにオウンドメディアは長期的な観点が必要で、記事単位での効果測定は難しい面がありますが、メルカンでは定量と定性の両面からアプローチをしています。

 定量面では採用候補者が入社した後にアンケートを実施して、メルカンの認知度を調査。また採用サイトの募集要項にもメルカンの記事を掲載しているので、そこからの遷移率なども効果指標としてみています。

画像を説明するテキストなくても可
メルカンのトップページ(2024年7月に撮影)

 定性面では、採用候補者にメルカンの記事を読んだ感想や印象的な記事を尋ねるなどをしています。時には「この記事を読んで、強く共感を覚えました」といった具体的なフィードバックをもらうこともあり、今後の記事作成の参考にしていますね。また、インタビュー協力者に対して、記事公開後のエピソードを収集するアンケートも実施。「記事がきっかけで、久しぶりに前職の友人から連絡をもらえた」「インタビュー記事が名刺代わりになった」などの報告を整理し、振り返っています。

━━定性のフィードバックが上がってきやすい仕組みを作るのは、とても大切ですね。メルカンのような、社内の人が必ず見るメディアだと、それなりの結果として数字が出ると思うんですけど……僕が想像している以上に、定性を大切にされていますね。

 やはり測りきれない部分にいかに価値を感じてもらえるかは、常日頃から考えていて。様々な形でvisibility(可視性)を上げていかないと、社内で「メルカン屋さん」になってしまうリスクがあり、それは避けたいと思っています。なぜなら「メルカン屋さん」という言葉には、依頼した仕事を淡々とこなすだけの存在というニュアンスが込められているように感じるからです。

 私たちが目指すのは、社内の課題を一緒に解決する「パートナー」としての存在。記事化のためのインタビューも、単に必要な情報を引き出すだけでなく、背景にある想いをしっかりと聞く。それを言語化し、社内外の読者に伝わるストーリーに落とし込めるかを一緒に考える。価値をともに作る仲間なんだと、しっかり伝えていきたいと思っています。そのためには、やはり定性が大切な指標の一つになるんです。

社内の「メルカン屋さん」にならないために

━━運営する中で直面している課題はありますか?

 オウンドメディアを長く続けていく上では、どうしても様々な課題が出てきますね。挙げるとすれば、膨大なコンテンツの整理と、新しいメンバーとのコミュニケーションの二つでしょうか。

 一つ目のコンテンツに関する課題ですが、2,200本を超える記事はメルカリの大切な資産である一方で、サイトの構造上、多くの記事が埋もれてしまっているのが現状です。過去の記事の中にも、今読んでほしいものがたくさんあるので、メルカンという箱を使って情報の再編集をしたいところです。

 二つ目の課題は、新メンバーとのコミュニケーション。メルカリは採用が盛んで、次々に新しいメンバーが加わっていますが、そのような方たちにとって、「メルカン」はどれだけ身近な存在になれているのか、まだハッキリとわかってはいません。

 創業初期からのメンバーであれば、自分もコンテンツづくりに関わった経験があったり、記事化された同期の姿を見たりしているので、愛着も強いと思います。一方、後から加わったメンバーにとっては、「メルカン」は既にあたりまえの存在で、想いを共有することが難しいかもしれません。メルカリの文化を体現し、引き継ぐためのツールとして「メルカン」を活用してもらうには、新しいアプローチも必要だと感じています。

━━最後にこれからオウンドメディアに取り組もうとしている方や、既に運営されている方に向けて、何かメッセージをお願いします。

 オウンドメディアの運営は、とにかく「面白がることが大切」かなと思います。人って、自分の話を面白がってくれる人には、心を開いてくれることが多いじゃないですか。だからまずは、自分が何かに興味を持って面白がる。そこから待つだけでなく、「これはどういうことなんでしょう?」と、相手にどんどん尋ねてみる。こういうふうにして様々な人と接点を作っていくと、仕事もしやすくなるかなと思います。

━━ありがとうございました。

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note株式会社(noteカブシキガイシャ)

 わたしたちは「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」をミッションに、表現と創作の仕組みづくりをしています。メディアプラットフォームnoteは、クリエイターのあらゆる創作活動を支援しています。クリエイターが思い思いのコンテンツを発表したり、メンバーシップでファンや仲間からの支援をうけたり、ストアでお店やブランドオーナ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/07/18 12:22 https://markezine.jp/article/detail/46188

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