電通を含む国内電通グループは、8月5日、「"人間の知(=Intelligence)"と"AIの知"の掛け合わせによって、顧客企業や社会の成長に貢献していく」という独自のAI戦略を、新ビジョン「AI For Growth」として発表した。
同ビジョンは、既に同グループ各社で取り組んでいるAI活用に共通する考え方。人の思考プロセスやノウハウ、そしてさまざまなデータをAIにインプットし、進化したAIから人がまた学ぶ、というサイクルを通して「人とAIが高め合う」AI活用を推進していく。
同ビジョンに基づき同グループでは具体的に、以下3つのレイヤー、8つの領域での取り組みに注力していく。
1:クライアントサービス
AIを活用した「①マーケティング支援」や「②トランスフォーメーション支援」、「③プロダクト開発」を実施する。
具体例として、統合マーケティングソリューションブランド「∞AI(ムゲンエーアイ)」シリーズや、エンタープライズ向け生成AI活用ソリューション「Know Narrator(ノウナレーター)」シリーズ、電通のコピーライターの思考プロセスを学習したAI広告コピー生成ツール「AICO2(アイコ ツー)」など、グループ各社で様々な取り組みがあり、顧客企業の課題に応じて、最適なAI活用・開発を行う。
2:AIアセット
「④データインフラ拡充」「⑤AI人財育成」、そして「⑥技術研究・開発」を加速させることで、顧客企業向けサービスの高度化を図る。
具体的にはグループの各社で蓄積してきた様々なマーケティングデータおよびインサイトのAI活用、独自のスキル認定・研修プログラム強化による同グループ2万3000人のAI人財化などに取り組んでいる。
3:コーポレート機能
グループ内の「⑦AIガバナンス整備」と「⑧組織構築・経営」を推進する。AIを安全に活用するためのガイドライン作成や、相談窓口の開設などを通して、AIによってより高い創造性と生産性を発揮できるように取り組む。
なお、同グループは、145以上の国・地域で事業を展開するグローバル各社とも連携。グループの投資先であるAIベンチャー企業や、海外拠点の先行事例・ノウハウを取り入れ、AIのケイパビリティ拡張を目指す。
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