Instagramで反応がよいクリエイティブの最新トレンド
MarkeZine編集部:実際に「おとなの自動車保険」は、Meta広告でどのようなクリエイティブを展開しているのですか?
信山:市場のトレンドとして、Metaが提供するInstagramのストーリーズやリールをはじめ、TikTokやYouTubeショートといった縦長動画面のユーザー数や可処分時間、売上が伸び続けています。この流れを受け、Meta広告のクリエイティブでは縦型動画×UGCへの取り組みが必須となっており、「おとなの自動車保険」でもUGC風のクリエイティブに注力しています。
松村:具体的には、「見積りして浮いたお金で、焼き肉いけちゃいました!」など、自動車保険の見積り~乗り換えによってもたらされる未来を想像させるような内容で、UGC風のクリエイティブを制作し配信しました。結果、予想以上に良い効果が得られています。ユーザーの日常的な設定に落とし込まれた、ある意味広告っぽくないクリエイティブがウケたのではないかと思います。
自動車保険を含む金融商材は、考えることを億劫に感じてしまうユーザーが多い商品です。保険などの乗り換えへの興味や動機付けを高めるには、よりユーザーに近い世界観でアプローチすることが重要だと考えています。UGCクリエイティブは今後より本格的に取り組みを進めていく予定です。
鈴木:「おとなの自動車保険」のメインターゲットである40代・50代の認知は広がっている状態ですが、20代・30代の若年層に対してはまだ十分にリーチできていません。この課題に対応する目的もあり、我々もUGC風クリエイティブの施策には手応えを感じています。Instagramというプラットフォームの特性とUGC風のクリエイティブ、加えてMetaの広告配信技術を組み合わせることで得られる相乗効果があるはずです。
顧客行動に繋がるマーケティングを目指して
MarkeZine編集部:最後に現在掲げている目標や、運用・クリエイティブを含め今後挑戦したいと考えている施策についてお聞かせください。
今井:引き続きUGCの施策には力を入れていきたいです。通常のコミュニケーションでは反応しない方々に対して、新しいアプローチで働きかけることを目指しています。
さらに、現在の広告業界が抱える課題を考慮すると、ファーストパーティデータを活用した取り組みにも関心があります。プライバシーポリシーに関する問題に対応しながら、慎重に検討していきたいですね。
信山:ファーストパーティデータ活用に関して、Metaはカスタムオーディエンスで外部データの突合が可能な媒体であり、当社内でもそれを活かした取り組みや実績が増えています。インタレストが推測に基づくのに対し、外部データは実データを活用しているため、確実にターゲットとするユーザーに届けることができます。「おとなの自動車保険」をはじめ、より多くの広告主様に活用していただきたいです。
松村:金融業界は、比較的広告の出稿量が多く、多数の企業が認知度向上に向けた施策を行っているものの、それが実際の顧客獲得に結びつきにくいという課題が指摘されています。
そこで、当社では顧客が商品やサービスを認知してから実際に検索するまでの中間段階である「ミドルファネル」に注目し、研究を進めています。認知度を向上させるだけでなく、実際の顧客行動につながるマーケティング戦略の実現を目指していきたいです。