上位表示投稿の分析でハッシュタグごとの違いを把握
これらの例から明らかなように、#スキンケアでは「幅広い情報と比較」、#メガ割では「具体的なセール情報」、#ベスコスでは「信頼性の高い推奨情報」を求めていると推測が可能で、ハッシュタグのキーワードによって消費者の検索目的やニーズは大きく異なります。

ゆえに比較検討ファネルに対して効果的なプロモーションを行うには、ハッシュタグの人気度を見るだけではなく、そのハッシュタグ上で実際に評価されている投稿を詳細に分析し、ハッシュタグごとの違いを把握することが不可欠であると言えるでしょう。そしてこの分析に基づいて、各ハッシュタグの特性に合わせた投稿形式やコンテンツを選択。適切なインフルエンサーを起用することで、ターゲットとするユーザーのニーズに的確に応える投稿を作成できます。ここまで行うことで、結果としてハッシュタグ検索結果の上位表示を獲得し、より多くのユーザーに訴求することが可能になるのです。
事例紹介:2ヵ月間連続でハッシュタグでの上位表示に成功
最後に、ハッシュタグの特徴を捉えたプロモーション設計により、ハッシュタグの上位表示に成功した美容家電メーカー・A社の事例を紹介します。
同社では、年末商戦に向けて2023年11月〜12月の2ヵ月間、流入型ハッシュタグでの上位表示のハックを目的としてインフルエンサーマーケティングを実施しました。
同社が扱う商品と親和性があった「#美顔器」や「#スチーマー」などの美容家電関連の流入型ハッシュタグは、当時、モデルや憧れ系インフルエンサーの投稿が上位に表示されやすい傾向に。そのため、A社でも実際にモデル活動をしている方を中心に起用し、ハッシュタグを付けて投稿を行いました。
また、施策実施期間が年末ということもあり、高単価な美容家電関連商品のハッシュタグがアクティブな状態になることも予測できていました。そこで投稿の鮮度を意識し、1週間に3〜4人のインフルエンサーによる投稿を2ヵ月間行ったのです。
その結果、施策の全期間でA社のタイアップ投稿がターゲットとしていたハッシュタグ上の上位表示に成功。8週間にわたるキャンペーン期間中のすべてで検索上位に表示させられました。
この事例からもわかるように、各ハッシュタグの性質に合わせてハッシュタグの選定や投稿タイミングの設計などを行うことで、ハッシュタグ検索の上位に自社の投稿を表示させることができます。特に今回の事例のように季節性のトレンドによる検索需要が高まるシーズンでの検索対策は非常に効果的です。
自社ブランドが狙いたいハッシュタグ上で上位表示される「投稿の種類」や「期間」などの傾向を確認。そして比較検討の段階で消費者がどのような投稿を参考にしているのかを把握して戦略を立てることで、比較検討ファネルにおける効果的なインフルエンサーマーケティングが展開できるようになるでしょう。
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