SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

米国最新事情レポート『BICP MAD MAN Report』

スポーツコンテンツの広告市場がビッグテックと比例し成長中

スポーツがリニアTV市場を支え、CTV市場を押し上げる

 米国でも旧(リニア)テレビ局の広告収益は減少しているのは周知だ。2018年頃の市場規模は約7.2兆円に達したが、2027年には5.5兆円にまで縮小する予測があり、市場の半減期が近付いていることが示されている。対照的にストリーミング配信による収益は増加し、リニア放送における収益の落ち込みをCTVが上積みしている状況だ。

 この状況を単に視聴方法のシフトと理解するのではなく、リニア・CTVいずれの収益においても、スポーツコンテンツが「底支え」として大きく寄与している点に気づきたい。伸び続けるスポーツ放映権は年間3兆円に迫っている。この3兆円が上記のテレビ広告市場に占める大きさを想像してみよう(いずれも1ドル=100円換算)。

 スポーツの放映権料が高騰している背景には、Amazon・Alphabet/YouTube・Apple・Netflixなどのビッグテックが企業価値(B/S資産)増大に比例し、莫大な支払い能力を高めていることが挙げられる。これにともない権利料は今後さらに高騰する見込みだ。

 Disney/ESPNやComcast/NBCUといった旧テレビ局系企業がこの競争にどこまで耐えられるか、DAZNのような規模では振り落とされる可能性すらある。AmazonはNBAとWNBAに11年で約200億ドル(バスケットボール)、AlphabetはNFLに7年で約20億ドル(フットボール)、AppleはMLBとMLSに10年で約1億ドル(野球、サッカー)と、契約が次々と埋まっている。

 日本国内でも既にこの影響はあり、テレビ業界では危惧されている。マーケター企業はこの事業構造のトレンドに気づき、早期に対応することができれば、新たなチャンスに「相乗り」することも可能だ。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
米国最新事情レポート『BICP MAD MAN Report』連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

榮枝 洋文(サカエダ ヒロフミ)

株式会社ベストインクラスプロデューサーズ(BICP)/ニューヨークオフィス代表
英WPPグループ傘下にて日本の広告会社の中国・香港、そして米国法人CFO兼副社長の後、株式会社デジタルインテリジェンス取締役を経て現職。海外経営マネジメントをベースにしたコンサルテーションを行う。日本広告業協会(JAAA)会報誌コラムニスト。著書に『広告ビジネス次の10年』(翔泳社)。ニューヨーク最新動向を解説する『MAD MAN Report』を発刊。米国コロンビア大学経営大学院(MBA)修了。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2024/11/06 09:30 https://markezine.jp/article/detail/47122

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング