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海外大手ブランドが選ぶ「Revuze」 AIによるVoC分析で真の顧客理解とコスト削減が両立する理由

 顧客の声(Voice of Customer、以下VoC)に耳を傾けることは、製品やサービスを改善し、ブランドの評判を高める上で不可欠です。近年、ソーシャルメディアから収集したフィードバックを分析するために、ソーシャルリスニングツールを採用する企業が増えています。しかし、VoC分析ソリューションのリーディングカンパニーであるRevuze(レビューズ)の日本担当マネージャー・森 道明氏は、「ソーシャルメディアはインフルエンサーの影響を受けるため、購入者の真の声を正確に捉えることが難しい」と警告しています。そこで同氏に、VoC分析がもたらすメリットと陥りがちな落とし穴、Revuzeの実際の活用例などについて詳しく伺いました。

SKUレベルのインサイトまでわかるRevuze

──2011年にイスラエルで創業、2013年に設立されたRevuzeが日本に本格進出するそうですが、どのようなサービスを提供しているのでしょうか。

 Revuzeは生成AIを搭載したVoC分析ソリューションのプロバイダーです。生成AIを活用し、ECサイトで商品を購入・使用した消費者による口コミなどのオンラインレビューデータを収集・整理し、分析したレポートを提供します。VoC収集・分析における工数削減や、顧客満足度向上、売上の向上などを目的に、多くのお客様から広くご活用いただいています。

Revuze Territory Manager, Japan 森道明氏
Revuze Territory Manager, Japan 森 道明氏

 Revuzeの特徴は、顧客の声を基に商品のカテゴリーレベルから、商品1つひとつの単品(SKU)レベルのインサイトまで、提供することです。たとえば「Tシャツ」と一口に言っても、型番、サイズ、色など、商品展開によって様々なレビューが集まります。同じ型番の商品でも、「MとLで差がなく、Lが小さく感じる」「青は色落ちが激しい」といった異なる評価をされることは珍しくありません。

 SKUレベルで詳細なインサイトを得られるからこそ、コーポレート・アイデンティティのリサーチやブランディングだけではなく、マーケティング戦略の立案や商品開発の改善、営業活動の効率化にまでご活用いただけるのです。

──ECサイトからレビューデータを収集するとのことですが、どのようなECサイトに対応しているのでしょうか。

 主要ECサイトのほか、ブランドやメーカーが独自で運用している直販サイトも含めて現在450のデータソースを保有しています。ご利用時にどの商品カテゴリーや商品群のデータを参照するか設定する必要がありますが、日本国内ではAmazonやヨドバシカメラ、楽天などのECサイト、価格.comのような口コミサイトに対応しています。

──現在、どの地域でどういった企業が利用しているのでしょうか?

 北米・南米をはじめ、EMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)諸国、APACの数十ヵ国に展開しています。業種で言うと、消費財や家電製品、食品・飲料、エレクトロニクス、アパレル、化粧品など100以上の大手ブランド企業に導入いただいています。いくつか社名を挙げると、ロレアルやP&G、Pilot Corporation of America(パイロットコーポレーションの米国事業所)、アンダーアーマー、ヘンケル、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどがあります。

企業のVoC分析がうまくいかない理由とは

──サービスについて詳しく伺う前に、なぜ今VoCなのかについてもお聞きしたいと思います。VoCの収集・分析は企業にどのような効果をもたらすのでしょうか。

 VoCとは文字通り「お客様の声」です。その声とは、商品やサービスに対するレビュー(口コミ)や感想、またはクレームのことです。VoCには、消費者が実際に良いと思ったこと、改善してほしいことなどの情報が詰まっているので、その声を分析してマーケティングや商品開発にフィードバックすることで、消費者のニーズや価値観に沿った商品・サービスが提供できるようになります。

 VoC分析はリアルな“声”から消費者のインサイトを発見できるため、近年特に注目度が高まっているマーケティングアプローチの1つと捉えています。

──重要性を認識していても、実際には活用できていない企業も多いと思います。何が原因なのでしょうか。

 一言で言えば、VoCの収集・分析には様々な領域やアプローチ法があるため、工数がかかったり、分析データが属人的になったり、SKUレベルでの分析が困難だったりというハードルがあるからでしょう。詳しく説明すると、VoC分析は3つの手法に分類できます。

 1つ目の手法が、SNSやブログなどのテキストデータから有益な情報を抽出する「テキストマイニング」です。2つ目の「コールセンター分析」は、コールセンターに寄せられた顧客の声を分析する手法です。そして3つ目が、ECサイトなどに消費者が投稿した口コミや星、感想などのデータを収集分析する「レビュー分析」です。

 このようにVoCと言っても、そのデータソースやアプローチは多岐にわたるため、まず収集作業だけで膨大な工数がかかりますし、分析も属人的になりがちです。また、SNSでのソーシャルリスニングの経験がある方は実感しているかもしれませんが、インフルエンサーの影響でデータにバイアスがかかることも珍しくありません。加えて、地域差や言語の問題で全消費者の声を分析できないという課題もあります。

 またテキストマイニングも、結局は「自分たちが抽出したいと思っているキーワード」の影響を受けて恣意的な分析になりやすいというリスクがあります。リアルな消費者の声を正確に分析するのは難しく、また作業にかかる工数やコストが主なネックになっている点は間違いありません。

生のレビューデータを整理して改善点や課題を抽出

──VoC分析にまつわる課題をRevuzeはどのように解決するのでしょうか?

 RevuzeはAI技術を駆使し、オンライン上の膨大なレビューデータを収集・分析することに注力しています。現在のところ、RevuzeはSNS上の声は拾っていません。その理由は、商品を“実際に”購入し使用した消費者のレビューの中にこそ、有益な情報が詰まっているからです。バイアスを排除した声を収集できることが大きなポイントです。

Revuze森道明氏

 また収集・分析作業にかかる工数の課題に対しては、生成AIの活用で対応しています。レビューには「ここは良いけど、こういう点を改善してほしい」などの様々な情報やトピックが書かれています。Revuzeの生成AIは、レビューの中に含まれる様々な要素を抽出し、ポジティブな視点、ネガティブな視点、商品やサービスに関する感想、会社イメージに対する感想など、分類・整理・可視化しコストを削減します。

Revuzeのダッシュボード画面
Revuzeのダッシュボード画面(デモ)。化粧品ブランドのレビューを分析した結果の例だ。全体的な評価に加え、「保湿力」「肌への優しさ」「成分」など、消費者が注目しているトピックを抽出している。画面は日本語表示も可能
※クリックすると拡大します

 分析結果は、SWOT分析や競合比較、星の数と具体的な評価内容との相関関係など、様々なパターンで提示されます。しかもそれがSKUレベルで示されているので、単なる分析結果の提示で終わらず、次の改善アクションに移りやすいというメリットがあります。

Revuzeのダッシュボード画面
Revuzeのダッシュボード画面(デモ)。1つの商品を取り上げたSWOT分析も可能
※クリックすると拡大します

──なぜ、改善アクションに移りやすくなるのでしょうか?

 Revuzeでは、競合商品も含めた商品群の中で、自社商品がどんな位置にあるかマトリックスを組んで提示する上、「センチメント(個人が抱いている感情)分析」により、商品のどの部分を伸ばしていくべきかというインサイトを与えるからです。詳しくは事例でご紹介します。

Revuzeのダッシュボード画面
Revuzeのダッシュボード画面(デモ)。化粧品ブランドの人気商品について、重要なトピックに関する分析を行った結果。消費者のレビューから話題になっているトピックを抽出し、ポジティブ・ネガティブな意見の割合や、具体的なコメントを一覧で表示できる
※クリックすると拡大します

米国市場でPilotが実感した3つの導入効果

──具体的なRevuzeの活用事例を教えてください。

 文房具メーカーである、Pilot Corporation of Americaでの事例になります。これはまさに、SKUレベルのインサイトを商品開発やプロモーションに活用した例です。

RevuzePilot社事例

 Revuze導入前、同社ではAmazonのレビューを手作業で収集し、Excelで分析を行っていました。手間と工数がかかる上、インサイトを活用した改善アクションへの移行に課題を抱えていました。そこで同社はRevuzeを導入し、小売店やSKUを横断して非構造のレビューデータを分析することにしたのです。これによる具体的な効果は3つありました。

 1つは小売店に関連する課題を発見できたことです。ある商品の否定的なレビューを分析したところ、レビューの要因が商品そのものではなく小売店側にあったとわかったのです。そのため、商品と小売店側の課題とを切り分けられるようになりました。

 もう1つは商品の改善アイデアが得られたことです。人気商品の「よりファンシーでカラフル」なバージョンのニーズが高いことを知り、新商品の開発につなげました。

 最後は、SKUレベルのインサイトにより商品メッセージを改善できたことです。新商品の販売開始後、レビューから商品の特徴が理解されていないことに気づき、商品メッセージを変更しました。

 そしてRevuzeを導入した最大の功績は、Revuzeのダッシュボードを共有したことで、マーケティング・営業・商品開発チーム間でフィードバックループを構築し、商品開発とマーケティング戦略の改善に役立つ社内コラボレーションを促進できたことでしょう。

 さらにもう1社紹介したい事例があります。個人的な感覚に左右されるため、万人受けするマーケティング戦略が通用しない「香水」カテゴリーのブランドの例です。

香水のレコメンデーションにレビューの「言葉」を活用したPUIG

 スペインのフレグランス企業PUIG(プーチ)では、消費者が自社の香水に対してどのように感じているかを理解し、レコメンデーションに活かしたいと考えていました。実際、同社ではフレグランスの嗜好に関する幅広いデータを保有するとともに、「WikiParfum」という香水に関する情報を集約したWebサイトを運用しています。しかし、消費者の詳細なセンチメントを把握することに苦心していました。

RevuzePUIG社事例
「WikiParfum」Webサイト

 PUIGにはもう1つ問題がありました。それはフレグランス業界特有の業界用語と、消費者が使う語彙とでギャップがあり、商品の提案力に影響を及ぼしていたのです。メーカーは専門用語を使って特徴を伝えますが、消費者からすると用語が理解できないので心に響きません。それが、フレグランスの購入体験の障壁になっていたのです。

 そこで同社はRevuzeを導入し、レビューを基にしたセンチメント分析に注力しました。レビューなら使用者実感がともなった言葉で表現されています。そのセンチメントデータを、WikiParfumに統合することで、消費者のフィードバックに基づいたレコメンデーション商品を調整し、よりパーソナライズされた顧客体験を提供できるようになりました。

 また消費者に親しみをもってもらえるよう、香りの説明文も改良し、専門用語と消費者の用語のギャップを埋めてコミュニケーションを強化しました。これにより、消費者も自信をもって香りを選択できるようになり、顧客体験の向上につながりました。

マーケティングの投資や工数を削減した実績も

──Revuzeの活用をお勧めしたい業種があれば教えてください。

 VoCに関心のある企業様、特に消費財や家電、食品、化粧品、エレクトロニクスやアパレル業界の企業様にぜひご利用いただきたいですね。またこれまで、ソーシャルリスニングに取り組んできた企業の方にこそ、知っていただきたいサービスです。

 実際、Revuzeを導入した企業では、マーケティングの投資や工数が数十%以上削減できたという例もあります。データの収集や分析作業の工数・コストが減ったり、消費者の声を分析することでキャンペーン効率が向上したり、商品評価が向上して売上増につながったり、様々な要因が合わさって得られた効果ですが、市場の声にしっかり応えることでビジネスが全般的に向上したのだと思います。私たちはVoC分析を取り入れて事業成長を目指す企業を応援したいです。

オーダーメイドの消費者インサイト分析を体験する

オーダーメイドの消費者インサイト分析を、無料でご利用いただけます。デモのお申し込みは、Revuze公式サイトからお問い合わせください。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:Revuze

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/11/21 10:00 https://markezine.jp/article/detail/47148