Twitchコミュニティ内で日本が存在感を示すワケ
━━これまでTwitchではゲームを中心に配信されていましたが、最近では音楽やライフスタイルなど様々なジャンルの配信が行われるようになり、コミュニティが多様化しています。様々なセグメントやバックグラウンドを持つ人々がTwitch上で共存するための取り組みを教えてください。
基本的にTwitchユーザーの多くはゲーマーで、これまではゲームに関するコンテンツが多く発信されていました。そんな彼・彼女らがゲーム以外にも関心をもつのは決して不思議なことではないでしょう。
ゲーム配信を行いながら、音楽配信やライフスタイルに関する配信、イベントの主催などを行う人も多く見られるようになりました。ストリーマーが複数種類のコンテンツを持つという近年の傾向から、コミュニティの多様化が引き起こされていると言えます。
2024年のTwitchConには、ゲームにフォーカスしていないストリーマーや、ゲームコンテンツを見ていないファンも多く足を運んでくれました。
このようにTwitch上では、様々なジャンルのコミュニティが生まれていますが、それらが平和に共存できるよう、共通の興味関心を持つ人が出会えるような空間や機会を用意するように意識しています。
たとえば、TwitchConでは、コンテンツの種類ごとに分かれた、コミュニティミートアップのスペースを用意しました。その分野に興味がある人が、出身や年齢などの属性を超えて簡単に出会える場となりました。
━━グローバルと比較した時に日本市場で見られるTwitchの使われ方の特徴を教えてください。
英語圏やスペイン語圏のユーザーは、別の国のストリーマーを積極的に視聴しているのに対して、日本のユーザーは日本のストリーマーを中心に視聴するのが日本市場の最も特徴的な部分です。こういう行動様式があってか、世界的に見ても日本は文化の面で独自のTwitchコミュニティが構築されており、非常に大きな存在感と影響力をもっていると感じます。
実際、TwitchCon 2024を歩く中で、日本文化の影響力は非常に強いと感じました。日本は今や、Twitchユーザーやストリーマーにとって配信スタイルや話題になりうるアニメ・漫画・ゲーム作品などを新たに供給する、流行の発信地です。Twitch上で最近増えているVTuberも元々は日本から始まりました。
広告プラットフォームして有する三つの強み
━━ここからは、広告プラットフォームとしてのTwitchについてうかがいたいと思います。ブランドから見た時のTwitchの広告プラットフォームとしての魅力はどんなものがあるのでしょうか。
前提として、広告ブランドはTwitchのフィードやチャネルに表示される動画広告、ディスプレイ広告を展開することができます。また、親会社であるAmazonの「Amazon Ads」と統合されているので、Twitchと「Amazon Prime」の両方に出稿できるオプションも有しています。
その上で、Twitchには大きく分けて三つの広告プラットフォームとしての強みがあると考えています。一つ目は、Twitchが構築してきたコミュニティにアプローチできる点です。先述のようにTwitchではユーザーエンゲージメントが非常に高いため、ユーザーはストリーマーが購入したり使ったりしているものに大きな影響を受けます。加えて、Twitchのユーザーは、70%が18歳~34歳のZ世代またはミレニアル世代。この層に対して効果的にアプローチが行えるんです。
二つ目は、露出時間が長い点です。現在のインフルエンサーマーケティグでは、15秒や30秒のショート動画を活用することがほとんどだと思います。一方、Twitchでは、ストリーマーが長時間の配信を通してブランドや商品を紹介するため、ユーザーの商品への理解度を高めることができます。
三つ目は、Amazonのアセットを活用できる点です。TwitchはAmazonエコシステムの一部に組み込まれているため、広告主は同エコシステム内の他のプラットフォームで収集された消費者の関心データを活用できます。
