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江端浩人氏に学ぶ、マーケティングとテクノロジー改革の最前線

ChatGPT searchの何が革命的なのか?これからの検索行動を読み解く

検索として進化する裏にメディアとのパートナーシップ

 OpenAIとNYTの訴訟は継続されている一方で、OpenAIは多くのメディアとパートナーシップを結び、その拡大を続けているようである。以下はChatGPT searchによる検索結果だ。

Associated Press (AP): 2023年7月、APはOpenAIに1985年以降のテキストアーカイブへのアクセスを許可し、AIモデルのトレーニングに利用されています。 AP通信

News Corp: 2024年5月、News CorpはOpenAIと提携し、The Wall Street JournalやThe TimesなどのコンテンツをAIモデルのトレーニングに提供しています。 ザ・タイムズ

Condé Nast: 2024年8月、VogueやThe New Yorkerを発行するCondé Nastと提携し、ChatGPTやSearchGPTで同社のコンテンツが表示可能になりました。 The Bridge

Hearst: 2024年10月、EsquireやELLEなどを擁するHearstと提携し、ChatGPTで同社のコンテンツが利用可能となりました。 ITmedia

The Atlantic: 2024年5月、OpenAIはThe Atlanticと提携し、同誌のコンテンツをAIモデルのトレーニングに活用しています。 ITmedia

Vox Media: 2024年5月、Vox Mediaと提携し、The VergeやNew York MagazineなどのコンテンツをAIモデルのトレーニングに利用しています。 ITmedia

Financial Times: 2024年4月、OpenAIはFinancial Timesと提携し、同紙のコンテンツをAIモデルのトレーニングに活用しています。 The Bridge

Le Monde: フランスの主要新聞Le Mondeと提携し、ChatGPTの情報源として同紙のコンテンツを利用しています。 ルモンド

Prisa Media: スペインのメディアグループPrisa Mediaと提携し、El PaísなどのコンテンツをAIモデルのトレーニングに活用しています。 ルモンド

Axel Springer: ドイツのメディア企業Axel Springerと提携し、BildやDie WeltなどのコンテンツをAIモデルのトレーニングに利用しています。 The Bridge

 筆者自身も数々の著作権問題に直面してきた経験がある。たとえば、日本コカ・コーラ時代には旧ジャニーズなど芸能事務所との許諾の都合でブランドのメインイメージキャラクターをWebサイトで使えないという問題や、初期のYouTubeで起こっていた楽曲の著作権が定義されていないという問題、また先日プロ野球の日本シリーズを制したDeNA在籍時ではキュレーションメディア問題もあった。

 現在の生成AIの検索でも著作権が設定されているキャラクターなどが検索結果に表示されるケースも多い。本来こちらのキャプチャーも掲載しようと考えていたが、それ自体の掲載に問題がある可能性もあり今回自粛することにした。生成AIの改良は絶え間なく行われており、是非皆さんご自身で色々検索していただきたい。著作権を持つキャラクターなどを含む事例に関してはどうなっていくのか、次回のコラムでは取材も含めてより深く考察していきたい。やはり生成AIは“優秀な新入社員”なので社会の「大人の事情」が反映されるまでは時間がかかるのだろう。

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この記事の著者

江端 浩人(エバタ ヒロト)

iU大学教授、江端浩人事務所 代表、MAIDX LLC代表、AlMONDO事業顧問

米ニューヨーク・マンハッタン生まれ。米スタンフォード大学経営大学院修了、経営学修士(MBA)取得。伊藤忠商事の宇宙・情報部門、ITベンチャーの創業を経て、日本コカ・コーラでマーケティングバイスプレジデント、日本マイクロソフト業務...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/11/08 09:00 https://markezine.jp/article/detail/47415

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