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「2024年はアドビが大きく動いた年」新代表・中井陽子氏が2030年に向けて見据える未来と現在地

2024年、「コンテンツサプライチェーン」を実現する土壌が遂に整った

MZ:アドビは「クリエイティブ」「デジタルドキュメント」「デジタルマーケティング」と、それらを支える「生成AIテクノロジー」の領域でさらに進化を続けているとのことですが、目指している方向性を教えてください。

中井:まずクリエイティブに関しては、Adobe Creative Cloudに加え、誰もが簡単にクリエイティビティを発揮できるWebツール「Adobe Express」を提供し、企業の方から学生・お子様など様々な方のコンテンツ創作を支援しています。もちろんこれらのツールには、創作に役立つ生成AI機能が搭載されていますし、学習データは著作権や知的財産権などの課題をクリアしている「Adobe Stock」を使っているので、生成AI利用における倫理課題にも対応しています。

 これはさらに「制作されたコンテンツを様々なデジタル体験につなげていく」という方向性につながっています。生成AIの登場により、マーケティングキャンペーンの計画、コンテンツ制作からその配信や分析まで、お客様に最適なコンテンツを届けるまでのプロセスを一気通貫で実現する「コンテンツサプライチェーン」を実現できるようになりました。

 コンテンツサプライチェーンについては、アドビは数年前から提唱してきましたが、それを実現するのが2024年10月に発表した「Adobe GenStudio for Performance Marketing」です。これにより、お客様のカスタマージャーニーに沿って最適なコンテンツを制作・提供していくことが可能になり、デジタル体験のフェーズが一段上がります。これができるのはアドビだけです。

画像を説明するテキストなくても可
アドビが提唱する「コンテンツサプライチェーン」

2025年初めには「対話型生成AIエンジン」も

中井:もう1つがAdobe Acrobatを中心としたワークフローのイノベーションです。Acrobatはご存じのようにPDFの閲覧・編集ツールですが、単なる文書管理や生成だけでなく、Acrobatを中核とした「Adobe Document Cloud」というソリューションを提供しています。このAcrobat日本語版に関し、「Acrobat AI Assistant」がリリースされる予定です。

 Acrobat AI Assistantは対話型の生成AIエンジンで、複数、もしくは長文のPDFドキュメントの要約やインサイトの生成のほか、会話を通じて電子メールやレポート、プレゼンテーションなど様々なパターンで文書共有を行います。なお、文書の要約やインサイト生成に関しては、ハルシネーションで読み手である人間が誤解や間違いをしないように参照元の情報を提示する仕組みとなっています。

 以上のように、クリエイティブやデジタル体験、ドキュメント領域で生成AIを活用することであらゆる人のデジタル体験や創作活動が豊かになり、企業の創造性も促され、より良いコミュニケーションが実現できます。

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2025年は「成功の種子」が芽吹く時、次の5年に見据えるもの

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

MarkeZine副編集長。1993年生まれ、島根県出身。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/12/11 09:30 https://markezine.jp/article/detail/47558

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